訪問リハビリが福祉用具で関わるポイント
訪問リハビリが福祉用具で関わる3つのポイント
こんばんわ。理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
突然ですが、リハセラピストが福祉用具に関わる時、皆さんはどうしていますか?
「これ持ってきてください」と自分の意見だけを福祉用具の方に伝えたり、「福祉用具の方に連絡しときますね」と任せっきりになっていませんか?
または、福祉用具の方の意見を「ハイハイ」とうなづいてるだけになっていませんか?
理想は、
リハセラピスト「この人は〇〇でこんなものがいいと思います。ぜひ、これに近いものを用意していただくといいと思います。」
福祉用具専門相談員「わかりました。こちらで探してみます。リハビリの時間に持っていきますので評価して下さい」
リハセラピスト「わかりました。一緒に確認お願いします」
こんなやりとりが一番いいと思います。
リハセラピストはパンフレット以外にも福祉用具はたくさんあり知らないものもあります。
それなら、福祉用具の知識が豊富な方に数ある中から適切なものを選んで頂くことが利用者のためにもあるからです。
つまり、福祉用具専門相談員の方の意見も取り入れながらリハセラピストの視点から必要なものを用意してもらう。これがベストだと思います。
では、
リハセラピストはどんなことを普段確認していけば良いか、そして、どのように関わっていけば利用者のために関わることができるかについてお伝えします。
介入時の見るべきポイントを理解できる。
未来のことも想定していくことが必要と理解する。
モニタリングの重要性を理解する。
福祉用具専門相談員の福祉用具に対する考え方
リハセラピストの関わり方の前に福祉用具専門相談員の福祉用具に対する考え方を知る必要があります。
理由は、なぜ福祉用具専門相談員はこの福祉用具を選んだのか理解する必要があるからです。
そこを理解していないと
「なんでこんなの入れたんですか」
「全然本人に合ってないじゃないですか」
となってしまいます。
私の臨床経験上で思うことをあげさせてもらいます。
個人的な意見ですので参考程度に見てください。
家の中での生活を理解せずにその場所でできるものを探している。
お話を聞いた中で良さそうなものを持ってくる。
応用動作を考えずに単に前に進めるかなど簡単な動作を想像して選定。
つまり、動作を確認せずお話の中で選定し、ある一定の空間の中の特定の動作情報で考えている。
これが私の思うことです。
では、どうすればいいかというと
そこの足りない部分を補うのが私たちの役目だと思います。
その部分も完璧に理解している福祉用具専門相談員がいたらリハセラピストの必要性がなくなります。
その時は、
「きたきたー俺の出番だ」
と考えて、足りない部分を補う姿勢を持って関わりましょう。
そう思うことで福祉用具専門相談員の方に話を聞いていただけるようになり利用者に適切な福祉用具導入を可能にできるとおもいます。
リハビリとして関わる3つのポイント
臨床にてこれが大切だと思う部分を3つだけ挙げさせてもらいました。
この3つさえ確認しておけば利用者に迷惑をかけずに介入できると考えています。
生活で使用することで変形するものや削れるものに対して確認する癖をつける
滑り止めの摩擦具合
歩行器のジョイントの緩み
立て手すりの緩み
車椅子のタイヤのエアー
ベッドマッド
タッチアップの土台の固定
車椅子の背張りや座面の緩み
ポジショニングクッションの劣化
思いつく限りをあげました。
特に、杖のゴムの劣化や車椅子のエアーを見落としてしまうと転倒の危険や移動しづらくなることから注意が必要です。
しかし、分かってはいるんです。
分かってはいるんです。
しつこいですね!笑
分かってはいるものの見落としてしまうことが何度かあります。
分かっているだけではだめで、意識してみていかないと劣化や変形したまま生活してしまうことがあります。
なぜ、意識しないと見落としてしまうのか?
理由として、何事もなく生活できているから見落としてしまうからだと思います。
ぜひ、ケアマネージャーや福祉用具から先に対応されるのではなく週に一回以上関わっている私たちから積極的に対応していきましょう。
私たちが一歩先に起こり得るかもしれない状況を見つけることで、住み慣れた家で過ごす生活をこれからも送り続けることができると思います。
福祉用具専門相談員の方も見逃しがちなので定期的に見てもらえるからと言って安心してはいけません。自分の目や触って確認しましょう。
使い方を教える、定着して正しい方法でできるてるかチェック
リハセラピストに一番求められている部分ではないでしょうか。
使い方をおしえる。
よく間違えるのは、使い方を教えるだけではダメです。
「教えたやり方が定着して行えているか」
です。
私もやりがちですが、
やり方を伝えてそのあと
利用者「やっていますよ」
私「わかりました」
で終わっていることがあります。
これは、教えてもう大丈夫と考えてしまっているからです。
書いている本人がやってしまっているので困っちゃいますよね。
そうならないようにアウトプットのためにも書かせてもらってます‼️
つまり、いかにそのやり方で定着して行ってもらえるかが大切ですので1ヶ月に一度は確認する時間を持つことが重要です。(モニタリング)
「できているからではなく定期的にチェックする」を心がけましょう。
ご家族に対しても同様です。
リフトの使い方や移乗介助、歩行介助、声かけの仕方など一度伝えた後にモニタリングの時間を作らないとリハビリの時間だからといって利用者の近くに来ないことって多いと思います。
利用者の邪魔にならないようにと気を使ってくれているかもしれませんが積極的に家族も巻き込んで関わっていけたらいいのかなと思っています。
介助方法や福祉用具の使い方を定期的にチェックして、定着しているかの確認作業をしましょう
予後を考える
なんぞやと思った方もいると思います。
例えば、
片麻痺の方で車椅子自走していると体幹の代償が入り体が傾くことで使っていくことで姿勢不良になるかもしれない。
→クッション等検討
ギャッチアップベッドを使うことで体は楽に起こせてもその姿勢を続けることでお尻にズレの圧がかかり皮向けになるかもしれない。
→楽リアモーションベッド検討、ポジショニングクッションを検討
片麻痺の方が4点杖を過剰に使用して歩いていたら杖側の肩から腕のあたりが痛くなってくるかもしれない。
→ロフストランド杖検討
このように、現在はいいものの長年同じものを使うことで将来起こり得る状況を把握することで即座に対応しやすくなると思います。
ただ、なんで悪くなることを想定してるのに導入するのかという疑問にぶつかります。
それは、「今が良ければそれで良い」と私は思っています。
現時点で安全でやり易くて生活のしやすい方法であれば積極的に提案するべきだと思っています。
例えば、
何度か転倒しながらでも家の中を伝えて歩きで歩いている方がいました。
現時点で安全で生活のしやすいことから車椅子自走が良いと考え、車椅子での生活を提案しました。
これ結果的には、車椅子になることで歩行する時間が減り、足の力が低下しバランス機能も同時に低下するため徐々に悪くなりますよね。
しかしながら、現時点で安全に生活を送れれば導入時は問題ないと思います。
理由は、家に居続けることが一番のリハビリだと思うからです。
どんな方法であろうとも家に居てもらうためにやれることはした方がいいと思います。
そのためには、家族が負担のかからないことと利用者が転倒少なく安全に生活できることです。
ただ、予後を想定していることが前提です。
予後を想定することでその時その時に利用者にあった安全な方法を再度提案することが出来ると考えるからです。
予後を想定してかかわりを持つことで変化に気づきやすく対応が早くなり家で暮らせる時間を増やせることが出来る
まとめ
1
劣化したりズレたりするものは日々チェックを行いましょう
2
定期的(約1ヶ月に一回)は定着して行えているか評価を行いましょう
3
導入した福祉用具の予後を想定して即座に対応できるようにしましょう
この3点が私の考える福祉用具の関わり方です。
最後に
セラピストが訪問で関われる時間は、1日のうちのごくわずかです。
セラピストには自分が対応している時間だけでなく、利用者の1日の生活を考える視点が大切です。
その中で、福祉用具をはじめとする環境調整の意義は大きいと考えています。
しかし、利用者や家族の想いや住宅環境など様々な要因によって活用が難しいことも珍しくありません。
そのためには、新たな情報にアンテナを張り、提案の引き出しを増やし、選択肢の幅を広げることも考えながら介入していきましょう。
この記事が少しでも臨床に行かせることがあれば幸いです。
今後指導方法については、今後の記事で紹介したいと思います。
この指導方法を知りたいという方いましたらTwitter(@kyunn23)の方にDMでどうぞ!!お待ちしております。