理学療法士 キュンの在宅リハログ

「モニター、機器が少ない中でのフィジカルアセスメント方法」や臨床疑問をできるだけ分かりやすく、セラピストはもちろんのこと在宅に関わっている看護師やヘルパーにも使える情報を発信していくブログです。

ポジショニングのコツを分かりやすいく解説

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ポジショニングのコツを分かりやすいく解説


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理学療法士のキュン(@kyunn23)です。

 

このような姿勢の原因はなんだと思いますか?

本人やご家族、医師、看護師、介護士のせいではありません。

セラピストが大事なポイントをわかりやすく伝えていないことが原因ですよね。

 

ポジショニングと言うと、看護師やヘルパーさんに「どうしたらいいですか?」と言われる場面臨床の中で良くありませんか?

ここで、的確なポイントを伝えることでその後の信頼を勝ち取ることができます。

目次

 

【ポジショニングはなんで重要?】

ポジショニングって臨床でとても大事なことはセラピストさんなら誰でも分かると思います。

 

お尻にとこづれができちゃうから横に向けよう

同じ姿勢は皮膚に良くないから時間を決めてむきを変えよう

膝がこれ以上曲がらないようにクッションを入れよう

かかとが赤くなってきたからかかとを浮かすためにクッションを入れよう

 

 

このときに、クッションの入れ方や姿勢の正し方はあっていますか?

不適切な姿勢管理と不適切な動かし方が合わさることで「拘縮・変形・褥瘡となります。

根本的な問題「不適切な姿勢管理」をなくすためにもポジショニングはとても重要となります。

 

ポジショニングは、その人その人によって答えが異なるので「絶対にこうした方がいい」ではなく「ポイントを知った上で、考えて行う」という視点で見ていただけたらと思います。

 【どんな人を対象にしている?】

姿勢を変えることが困難
  • 麻痺、筋力低下
  • 痙性、特有のパターン
  • 低緊張

 姿勢を保つことが困難

  • 不安定な姿勢
  • 捻じれている姿勢
  • 斜めの姿勢

 

 【ポジショニングの基本】

褥瘡=応用力(圧迫やズレ)×時間×頻度、筋緊張

安定した姿勢と動きやすい緊張、重さの均一化を提供するために、人間の構造に沿った支える部分や道具を選択し、生活環境を考慮した使い方をしましょう。

 

体軸を整える

身体をまっすぐにして、捻じれをつくらない

骨盤のねじれをとり、自然な体軸のながれにすることがまず第一

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上前腸骨棘を探す

どの姿勢でも指標になりますので、覚えておいてください。

骨盤がゆがむと肩が傾き、下肢の位置も非対称になります。

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骨盤がまっすぐに修正→肩と骨盤ラインが平行になります。

まずは、「骨盤の位置を修正する」ここから始めましょう。

 

重さの確認が大切

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 赤く丸がついている箇所が圧迫やズレを起こしやすい場所である。

介助グローブか素手でもいいのでベッドと背中の隙間に手を入れてどこに重さがあるか確認してください。

例えば、頭に重みを感じるので頭をあげてみる。その時、頭の重さはどこに移動するかを確認していくと支える場所ををどうすればいいかヒントがあると思います。

 

 

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介助グローブ

 支える場所が大切

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支えたい部分の形、大きさ、皮膚の状態に合わせてクッションを選ぶ。

www.cape.co.jp

 ロンボクッションは、組み合わせて使える13種類のアイテムがある。

素材の特性を活かした使用方法
振る

ピローを振ることで、中身の厚みや形状が調整できます。
引き出す

ピローをつまんで引き出すことで、身体への接触部分を微調整できます。
入れる

大きなピロー(RF5)に小さなピロー(RF3)を入れることでボリュームがアップ。より安定感を出すことができます。
揺らす

ピローにのせた身体を揺らすことで、より身体の形状にフィットし、なじませることができます。

 

自分が臨床で使用している中では、一番使いやすくて多彩な使用法で身体の重みを分散できる優れものです。ぜひ、使ってみてください。

重さを支えることが大切

拘縮や捻じれあがった部分をクッションで立体的に支える。

重さがかかっている部位から全体を支える。

例えば、

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両肩に隙間ができる

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頭だけでなく頭から肘にかけて全体で重みを支える

【まとめ】

ポイント
  • 骨盤を修正する
  • 重みを確認する
  • 体の形状に合わせてクッションを調整し選択する
  • 部分でなく全体で支える

 

今回は、こうした方がいいということではなく伝えるポイントをお話しさせていただきました。どうしたらいいですか?と言われた時、このポイントを伝えてください。

ポジショニングのやり方がわからない人でも、安楽な姿勢で過ごせる姿勢ケアを実践していただけると思います。