寝たきりの利用者 キーパーソンとの関わりが生活を支える
寝たきりの利用者キーパーソンとの関わりが生活を支える
お久しぶりです。理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
寝たきり利用者のご家族との関わり方って難しいと思いませんか?
全然大丈夫という方は、これから下は見ないでOKです。
先に結論をいうと
「キーパーソンになにか起こる前に普段から介護者との適切な関わりを持つ」です。
理由は、キーパーソンに何かあると利用者も生活できないからです。
寝たり利用者を自宅で介護される方は、強い信念を持っている方が多く、自分の介護に自信を持ち、なかなか心を開いていただけるには時間がかかるケースが多いです。わたしの関わり方がいけないのかもしれませんが、、、。
そして、利用者のことが第一でキーパーソン自身の体調は後回しになりやすいです。
わたししかいない
大変だけどそんな弱音は吐けない
自分しかやれる人がいないと強い気持ちがあることから不安や悩み事を伝えにくい環境にいると思います。
日々の疲労や体調について正直な話がないと見た目のみで判断するしかなく、「急に疲労で入院しました」とか「以前から体調が悪かったようで検査入院しました」とケアマネから連絡があったときはこちらの責任です。
キーパーソンに何かがあると、寝たきり利用者は自宅で生活を送れないです。
せっかく今まで頑張って介護されてきたのに自身の体調不良で介護できなくなるのは切ないですよね。
そのようにならないためには、キーパーソンのちょっとした変化をこちらから察知していくことが大切です。そして、介護方法の検討やサービス内容の変更を行い身体負担を軽減するような方法を多職種と相談してくことが必要です。
しかし、こちらから察知するだけでは足りないです。
キーパーソンから私たちに「今日はいつもの介護で疲れているせいかめまいがします」「おむつ交換の時に腰をひねって痛いです」こんな関係が出来たらすぐに対応ができるので素晴らしいですよね。
そのためには、相手から話してもらいやすい関わり方が必要です。
理由は、読み取る頃には腰痛が悪化した後だったりめまいが強くなった後にわかる場合が多いです。症状を早期発見できればその後の対応も簡単なもので済むかもしれません。
では、どのような対応を取ればいいのでしょうか?
間違っていても一度は褒める
自分ならどうか置き換えてみてください。
例えば、「このやり方はあまり良くないのでこうしてみて下さい」
この時、365日一日中ずっと介護してきた方はどう思うか考えてみて下さい。
「わたしは一生懸命やってるのになんでそんなこと言われなきゃいけないの。認めてくれないの。」
そんな気持ちになりませんか?
実際は、その時キーパーソンの方は「わかりました」と言いますが伝えたやり方で介護している方はごくわずかです。
人によってはそうゆうところから関係性が崩れて大切なことを伝えてもらえない関係性になりかねません。
やり方が間違っていても「今日も口腔ケアしっかりできていますね。舌もとてもきれいで、こんなにしっかりやっている方奥さんしかいないですよ。もし大変でなければ、もう少し舌がきれいだととてもいいと思いますし、乾燥予防でタオルをベッド柵にかけてみるか加湿器をしてみるといいと思います」
このように伝えるとやってみようと思いませんか?
「わたしの介護の仕方は間違ってないんだ。」と認めてもらった上でこうした方がいいと伝えているからです。
ぜひ、間違っていても褒めてから伝えたいことを伝えてみて下さい。
伝えたいことは口にしない
先ほどのように言葉で伝えてもやり方を変えない方には「言葉で指導しない」これにつきます。
例えば、ベッドから車椅子に移す時に横になってる状態から思いっきり座られて介護される方がいたとします。
リハビリ中は、横向きの状態からギャッチアップを徐々に行い足を下ろしてもらってからゆっくり座るようにしています。
この時、キーパーソンにもみてもらいながら「このやり方も楽でいいと思います」と強制するわけではなくキーパーソンに選択肢を与えてあげます。
これをみたキーパーソンが「このやり方どうやってやるんですか?」このような言葉が聞けた時はしっかりやり方を伝えます。
ぜひ、やり方を見せてからキーパーソンに選択肢を与えてみて下さい。
自分で選んだことは納得してやりますよ!
しかし、すぐにはこのようになる事は少ないと思ってもらっていいと思います。
何回か介入しているところを見てもらうとある日そんな話があると思います。
根気強くやってみましょう。
帰り際の一言
帰り際の一言は皆さん何を伝えていますか?
これが一番大切だと私は思っています。
「失礼いたしました」
「また、お願いします」
この言葉は、非常にもったいないと思います。
帰り際の一言ってめちゃくちゃ効果があって次週の訪問時にその一言で変わることもあります。
ポジショニングが指導通りにできていた場合「ポジショニングがとてもよかったです。来週も同じように出来るといいですね」
キーパーソンが疲れた顔をしていた場合
「介護の不安や心配方があればなんでも言ってください。キーパーソン〇〇さんの体も大切ですからね。」
この言葉で、気持ちが変わる人は結構います。
なんでそうなるか?
帰り際は、今日のリハビリの印象を大きく左右するからです。
例えば、デートの帰り際に「じゃまたね」と言われるのか「今日は○○が楽しかった。また会いたいね。」と言われるのかどちらがいいですか?
いくら、デート中が良い雰囲気でも帰り際がそっけなかったりすると今日のデートそのものが良くなかったと思いませんか?
リハビリも、いくら内容が良くても帰り際の一言で印象を悪くしたり、指導した内容が継続できなかったりするので最後の最後まで気を抜かず関わりましょう。
まとめ
私たちが介入するのは一週間にたった数分です。その時は、無理して笑顔で接してくれているかもしれません。
それ以外の時間は、毎日おむつ交換をしたり、体を拭いたり、夜何かあるか心配で寝れなかったり、今後のことを考えたりと想像以上に大変な日々を過ごされていると思います。
だからこそ、介入していない時間のことも考えて発言や対応をしていかなくてはいけません。
いろんな我慢をして言いたいことが言えない環境に私たちがさせてはいけません。
利用者のために介入することは、キーパーソンの体調管理にも目を向けていくことが必要です。
この記事を読んで少しでも臨床で生かせるないようがあったら幸いです。
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