理学療法士 キュンの在宅リハログ

「モニター、機器が少ない中でのフィジカルアセスメント方法」や臨床疑問をできるだけ分かりやすく、セラピストはもちろんのこと在宅に関わっている看護師やヘルパーにも使える情報を発信していくブログです。

コミュニケーションは聞くことから始めよう

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コミュニケーションは聞くことから始めよう

こんばんわ。理学療法士のキュンhttp://twitter.com/kyunn23です。
自分が利用者さんになったとき、どんな人にならいろんなことを話そうと思いますか?

この人の言うことなら実行してみようと思いますか?

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初回介入から「明日から立ち上がり5回やってみましょう」といわれて言われても、もともと運動する機会がないから訪問リハビリの依頼をしているのにやるわけがないと思います。

じゃどうすればいいか。

まずは、利用者との関係づくりを始めることです。

 

例えば、好きな女の子や男の子がいた時みなさんはどうやって「仲良くなろう」と思って行動していますか。

「自分は、こんな感じでこんなことが出来ます。この食べ物は好きです」と自分のことを話したりしませんよね。

 

「好きな曲とかあるんですか。スポーツは何してますか。いつも何やってるんですか。」と相手の興味について質問していませんか。それに対して親身に話を最後まで聞いてうなずいて笑顔で「わたしもそうなんです」と共感するときはすごい大げさに言いませんか。


なぜなら、相手に話を伝えるときはまずは相手を理解することが大切だからです。

 

 
こちらの意見を伝えたいときは、まずは話を聞く

 

それが、コミュニケーションの基本になります。

 

ここでは、聞くことの大切さとワンポイントについてお伝えします。

 
聞くコミュニケーションのポイント

見た目が大事

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人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の速さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合になっています。(メラビアンの法則

 

つまり、見た目はコミュニケーションの中でも半分を担っているということです。

 

相手と話をしているときに、どんな表情をしていたら話しやすいですか?

楽しそうな話をしているときは笑顔で聞いてくれいたり、辛い話をしているときは真剣な表情で聞いてくれたり、話している内容とマッチしている表情が話しやすいですよね。

そのため、相手がどんな感情や内容で話しているかを読み取り、話にあった表情を心がけていきましょう。

 

相槌が大事

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 隣に誰かいれば、何か会話をしてみてください。

「これがこうなって、、、こうなんだよ。すごいでしょ」と話をしているのに、相槌がなく話を聞かれているときって、この人は話をしっかり聞いてくれているのだろうかと不安になります。つまり、相槌が日本語会話の流れでは重要な流れと言えます、

 

ここで、「すごいでしょ」のあとに「さすがだね。きみならできると思ったよ」と相槌が入るだけで話し手の印象って一気に変わりますよね。

 

しかし、相槌はただやればいいってもんじゃありません。

 

相手が話しているそばから相槌をかぶせたり、かといって間を置きすぎるのをよくありません。

一つのポイントとすれば、句読点のタイミングです。これさえ気を付ければまず間違いはないでしょう。

相手の話すテンポを確かめながら行うようにしていきましょう。

 

あと、相槌にも一工夫してみるといいと思います。

例えば「なるほど」→「なるほど、そうなんですね」

一言加えると相手に話を促す効果が生まれるのでぜひやってみてください。


聞く時のポジション

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聞くときは、立ち位置や角度を考えながら行いましょう。

角度を適切に保つことは、視線と密着に関係しています。

真正面では、利用者が圧迫感を感じてしまうので、「八の字」に角度をつけることで視線の逃げ道を確保できます。

 

目線の高さも出来る限り相手の目線と同じ高さが理想です。

 

例えば、

相手が座っていて私が立ってる場合

相手は威圧感を感じますよね。また、見下ろされながら話をされると反論しづらい心理にもなります。

 

相手が立っていて私が座っている場合

相手には悪い影響はないように見えます。しかし、相手の方が弱い立場の場合は、立たされている錯覚になります。また、下から見上げられるのも嫌なものですよ。

 

相手と同じ目線で正面を向かい合ってる場合

目線の高さは同じで対等に話ができますが、相手の目を見ないわけにもいかず、目をそらしたりすることがなかなか出来ないのですよね。

目線のことに意識がいってしまい上手く話しづらいですよね。

 

相手と同じ目線で8の字の角度に座ってる場合

目線は同じでも適度に視線を外さことができるのでリラックスして会話ができます。

 

相手と会話をするときは、同じ目線で八の字に角度をつけて行いましょう。

 

 

気の利いた言葉を入れる

「聞くことが大事」で話をしてきたしたけど、気の利いたことばを話す技術もあればいいとおもいますので話をしたいとおもいます。

「すみません」を「ありがとう」に変える

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例えば

「血圧を測るとき強く圧迫して痛かったですよね。すみません」

「血圧を測るとき圧迫して痛かったのを我慢していただきありがとうございます」

 

相手の「名前」で呼ぶ

名字で呼ぶよりも親近感があります。

私も仕事や親しくない人には苗字で呼ばれますが仲良くなって名前で呼ばれたときは嬉しいですよね。その感覚に近いとおもいます。

 

ポジティブ言葉で印象を変える

例えば、

利用者「トイレに行こうとして転んでしまった」

リハ「転ぶってことはしっかり動いている証拠ですね。寝たっきりだと転ばないですから。動くってことはいいことですね。」

 

利用者「さっきかなり動いたから膝がいたいです」

リハ「動いて痛みが出るとは悪くはないですよ。動かない膝の痛みの方がよくないですよ」

 

不安の訴えに一言ポジティブな言葉を入れてみると相手に与える印象はかなり変わるとおもいます。


ときには合わせることも大事

話をしっかり聞いたとしても、この人ぜんぜん自分の話聞いてくれない方は中にはいると思います。

もともとこだわりが強い人なんかは特にそうですね。


例えば、このマットレスは柔らかいものに変更した方が良いことを伝えても「昔からこれを使っていてこれじゃないとダメです」となったとき、どうしても硬いマットレスじゃないと嫌だと言ってる方に柔らかいマットレスを推し進めるのはよくないので合わせるとこは合わせましょう。

 

「納豆はからしをつけない」「朝はご飯は食べない」「靴下は履かない」などみなさんもこだわりって何かしらあると思います。

自分のこだわりを変えた方がいいと言われても「いやーそれは変えられない」と思いますよね。

 

在宅では、個人の性格を尊重しながら時には相手の意見に合わせることも必要になってきます。


まとめ

まずは、聞くこと。これを実践しましょう。

聞くときは、表情や相槌のタイミング、位置や角度に気をつけて行いましょう。

聞く中で、ネガティブな発言が聞かれたら「ポジティブ言葉」で印象を変えてみましょう。

そして、重要なことでも時には合わせることも必要です。在宅では、その方のこだわりも尊重しながら話を進めていかなければならないです。

 

どんな人でも聞いてもらって嬉しくないことはありません。

 

聞くこと=伝える

 

自分も全てできていると胸を張れるわけではありませんが、相手に伝えるためには相手を変えるのではなく自分のコミュニケーションの仕方を変えてからにしてみましょう。

 

ぜひコミュニケーションに困っている方に少しでも力になれたら幸いです。