COPDの食事動作に伴う身体負担
COPDの食事動作に伴う身体負担
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
COPDの方を介入する等、食事動作を気にされるかたはどのくらいいるでしょうか?
どうしても、基本動作や歩行動作に目が行きがちですがとても重要です。
「今日はご飯食べれましたか?」と聞くと
「あまり食べてません。食欲ないけどそれでも食べなきゃいけないと思って食べてます。」
このとき、「もうちょっと食べなきゃだめですよ」と伝えますか??
私なら「食事は呼吸が苦しくなって大変ですよね。食欲がなくなるのも分かります。こまめに分けて少しずつとってきましょう。」と伝えます。
私たちは、基本的にお腹が減ると食事をしますよね。
COPDの方は「痩せないように食べないと」「体重が減ったらおわりだから」と食事本来の意味が変わっています。本当に食べることがつらいんです。
それだけ、無理をしてでも食事をとらなければいけないのです。理由は、健常人に比べて呼吸だけで10倍以上のカロリーを消費するからです。
そのためにも、食事動作に目を向けて少しでも楽に食べられる方法を検討していかなければいけません。
では、COPDの方はなぜ食事動作が苦しくなるか、どう改善していけばいいかについてお伝えします。
- 食事の飲み込みにくさがある
- 咀嚼中に呼吸が浅くなる
- 咀嚼に伴う呼吸への影響に無意識に身体が反応している。
- 安定した座位姿勢をとならければいけない
- 手や腕を動かすことが呼吸運動を妨げる
- 指導ポイント
- まとめ
食事の飲み込みにくさがある
嚥下時に呼吸が中断されることによる呼吸のリズムの乱れが生じるため呼吸筋の緊張が見られたり、大きく息をすることが見られます。
例えば、マラソン後にご飯を食べろと言われても呼吸することに必死ですよね。食べるためには、呼吸のリズムを変えて落ち着いてから食べますよね。
COPDの方は、極端に言えば常に息切れの状態なのです。
呼吸が苦しい中普通は食べ物を食べないですよね?理由は、食事によって息が止まり呼吸がしづらく余計に疲れるからです。
COPDの方は、その中で頑張って食べれる範囲を食べているのです。
咀嚼中に呼吸が浅くなる
咀嚼中に時間がかかることで呼吸が浅くなり、酸素飽和度の低下や呼吸数の増加がみられ、呼吸が苦しくなるという身体への影響がある。
咀嚼に伴う呼吸への影響に無意識に身体が反応している。
食事を口に運び入れることによって、呼吸筋のリズムが乱れ呼吸状態が変化するという身体への影響があり、身体への負担がかかります。
安定した座位姿勢をとならければいけない
食事をするための態勢を保つことが身体への負担となりエネルギーを消耗したり、呼吸が乱れたり、疲労する原因となっています。
手や腕を動かすことが呼吸運動を妨げる
食事を口に運び入れるために手や腕を動かすことが呼吸筋の動きを妨げ、呼吸筋の緊張を強めたり、呼吸回数の増加が生じます。
指導ポイント
- 食事はこまめに時間をかけて食べる
- 座位姿勢を評価して楽な姿勢で食べてもらう
ひじ掛けの高さや椅子の高さがあっているかを確認。
- 手や腕の動きを少なくするため、テーブルの高さを調整したり、自助具を検討する
- 食事の形態について評価
硬いものなど噛む回数が増えるとエネルギーを消費するのでのどに通りやすいものがオススメです。
まとめ
COPDの食事動作は、食べ始める前の呼吸調整から負担があり、食事が進むにつれて悪化していきます。
食事動作はCOPD患者にとって重要な活動の一つとして目を向けていくべきものです。
どのように食事を取っているか、呼吸との調和をさせているのか、食事中の姿勢、手や腕の動かし方によって生じる呼吸状態や全身状態への影響を包括的に評価して支援へと繋げていくことが必要だと考えられます。
この記事を読んで少しでも食事に目を向ける機会が増えたらうれしいです。
以上簡単ではありますが最後まで読んでいただきありがとうございました。
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