円背姿勢が与える影響
円背姿勢が与える影響
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
このように円背姿勢の方を見たことありますよね。
出来る範囲で姿勢を伸ばして顔を上げた状態で座っていてほしいですよね。
では、なぜこの姿勢を直した方がいいか?
- 食事が食べやすくなる
- 楽に座れることが出来る
- 見た目がいい
- なんとなくやったほうがいい
何か理由があって姿勢を直していますよね。
円背姿勢を正しい位置に直すことで【呼吸】【嚥下】機能の低下を予防できることはご存じでしたか?
今回は、円背姿勢が呼吸、咀嚼嚥下になぜ関与しているかお伝えします。
呼吸抑制について
実際、同じように体を丸めて呼吸をしてみてください。
呼吸しづらくないですか?
吸おうと思ってもうまく吸えないので全体的に浅い呼吸になっていませんか?
利用者さんにも同じ現象が起きています。
理由としては、①腹筋群の筋長が短縮し、筋の長さ、張力関係から収縮効率が低下する。これにより、横隔膜を押し上げられない②腹部が胸郭に圧迫されることで横隔膜が内蔵に突き上げられてしまい横隔膜の下降を抑制してしまう。
つまり、腹筋群や横隔膜が円背によって位置関係が崩れることがこれらを引き起こしています。
これが浅い呼吸を作り出しています。
咀嚼嚥下について
円背においては多くの場合、図のように頸椎は前方に倒れています。
そうなると、下顎が後方に引かれると同時に口が閉じにくくなります。そのために下顎の動きが阻害され食べ物を咀嚼しにくくなります。
また、のどぼとけの上の方を触ると突起に触れると思います。これが舌骨と言います。「ゴックン」したときにこれが前に押し出されるのがわかりますか?
しかし、舌骨が胸骨舌骨筋で引っ張られているため前方に動く舌骨の動きを阻害されて嚥下機能にも支障をきたすようになります。
さらに、嚥下の瞬間には「嚥下性無呼吸」といって食べ物が気管に入り込まないように一瞬呼吸が止まります。しかし、円背姿勢の方は前述どおり呼吸が浅くなるため、嚥下の余裕が少なくむせやすくなります。
このように、さまざまな面で咀嚼嚥下、つまり食事摂取に支障をきたします。
呼吸抑制より呼吸補助筋である胸鎖乳突筋が機能しにくい横隔膜の代わりに過剰に働くようになります。結果として頸椎下部を前方に屈曲させ頭部を伸展させるように作用します。つまり、円背姿勢~浅い呼吸~頭部突き出しはお互いがお互いを引き起こしています。
まとめ
円背者の方は、90度座位は困難であってもできるだけ骨盤後傾から円背の少ない状態で座位姿勢を安定するように車いすを調整することが、上記の円背の悪影響をできるだけ小さくすることが出来ます。
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