理学療法士 キュンの在宅リハログ

「モニター、機器が少ない中でのフィジカルアセスメント方法」や臨床疑問をできるだけ分かりやすく、セラピストはもちろんのこと在宅に関わっている看護師やヘルパーにも使える情報を発信していくブログです。

呼吸介助のやり方 4つのポイントを伝授

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呼吸介助のやり方 4つのポイントを伝授

理学療法士のキュン(@kyunn23)です。


痰が溜まっていたり、胸郭が硬いから柔軟性を高めようとする時なにをポイントに呼吸介助を行ってますか?

 

 研修会や教科書を参考にしていろいろやってはみるものの自分のやり方があっているのか、相手に不快があるのかは分かりませんよね。

 

もちろん皆さんにも自分のやり方があると思います。

私のが確実にあっているとはいいませんが、被験者の意見をもとにこうした方がいいんじゃないかと改良を重ねて行なっている方法です。

 

他にいい方法があればメッセージを下さい。

 

では今回、キュン流呼吸介助のポイントをお伝えします。

ポイント

最終呼気まで吐かせる

その人の胸郭に合わせて圧をかける

PIP関節を意識する

体を近くにすることで安定する

 

 

この4つを意識して被験者に行うと「楽に吐ける」と言ってもらることが多かったからです。

 

私たちが担当している方で、こうして欲しいと意見を伝えられない方にも「しっかりさいごまで楽に吐ける」を体験してもらえると思います。

 

 最終呼気まで吐かせる

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呼吸を指導するときって「吸ってーー」又「吐いてーーー」どちらを意識させますか?

 

自分で体験してみると分かると思いますが、吐くのって意識しないと最後まで吐ききれないの分かりますか?

深呼吸してください」って声掛けすると皆さん吸うのを意識しませんか?

 

それと同じで、利用者さんも「深呼吸しますよ」というと吐くのより吸うのを意識します。

 

でも、実際は吐ききってしまった方が、空気は自然に体に入ってきて深く深呼吸できます。

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理由としては、腹横筋が収縮して圧がかかった内臓は横隔膜を上に押し上げ大きなドーム状の形を形成します。最後の最後まで横隔膜を上げた状態から収縮を行うことで強い陰圧がかかり最終呼気まで誘導しやすいというのが理由です。

 

つまり、最終呼気までしっかり行うことで肺に空気を入れやすくします。

その人の胸郭に合わせて圧をかける

教科書では、両肺を内側にプレスにながら圧を加えるときは上外側に広がるのでその逆方向に押すとか書いてありますが、臨床では胸郭の柔軟性が乏しいこともあり教科書通りの動きをする方は特にご高齢で肺疾患や進行性難病の方は少ない印象があります。

 

ではどうするか?

 

教科書と同じ動きをするとは限らないのでまずは何回か胸に手を当てて動きを評価しましょう。その動きに対して反対の動きをすれば大丈夫です。

 

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ポイント

胸郭を内側に圧迫をかけながら引き下げる方をよく見ますが基本的には動きに対して内側に押す。内側に押したことで胸郭の動きに伴い下に移動することはありますが介助で引き下げると皮膚も引っ張られるので不快な感じがします。

PIP関節を意識する

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PIP関節とは、指先の関節です。

最後まで吐かせようとするとどうしても指先に力が入ってしまいます。

 

自分で言うのも何なんですが呼吸介助は意外に自信がありました。指先に力を入れないように意識して臨床でも行っていたからです。

 

いざ、被検者の方に呼吸介助をやってみると「指に力が入ってます」と言われとてもショックでした。

 

このとき意識の仕方がいけないのかと気づきました。

そこで、PIP関節に意識をおいて呼吸介助を行うと「指の力が抜けて全体で押されていていい感じがします」と言われました。

 

指に力を入れないように意識してやっていましたがそれだけでは絶対に力が入っています。ぜひ、PIP関節に意識をして圧を向けてやってみて下さい。

 

指先には力が入っていないと思います。

 

体を近くにすることで安定する

呼吸介助をするとき左右の手で内側に圧迫をかけますよね。

この時、体はどんなポジションで行っていますか?

 

極端な話、圧迫している手に対して極力体を密着させるべきです。

理由は、左右の圧迫を均等にすることができるからです。

 

体を極力近づけないとどちらかの腕に力が入りアンバランスになります。

実際、私が経験してそう思いました。

 

体が離れると、腕だけで呼吸介助してしまいどちらかに力が入っていると言われました。

 

体を近くにするだけで体の軸が安定して腕だけでなく体全体で行えている感じがしました。その時は、「両方均等に力が入っています」と言われました。

 

ぜひ、呼吸介助するときに少し体が離れている方は近づいてみてください。

 

力の入り方が変わると思います。

まとめ

最終呼気まで吐かせる
その人の胸郭に合わせて圧をかける
PIP関節を意識する
体を近くにすることで安定する

 

この4点の中で1つでも「これ使える」と思ってもらえれば幸いです。 

 

理学療法士と言えば、呼吸介助だと思います。

看護師やヘルパーさんにどうしたらいいですか?と言われた時このようにポイントを伝えられたらかっこいいと思います。そして、利用者も刺激が少なく楽に吐ききることが出来るとおもいます。

 

下記の記事も参考にしてみてください↓

 

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