高齢者は自立度を保つには6時間以上の離床が必要
高齢者は自立度を保つには6時間以上の離床が必要
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
どのぐらいベッドから離れて生活をすれば利用者が生活を維持していけるのだろう?
こういった疑問に答えます。
結論は「6時間以上は離床したほうがいい」なのですが、この点について深堀りしていきます。
離床は6時間以上するべき理由
要介護高齢者における離床時間と日常生活動作との関係は、離床時間が少ない人ほど日常生活動作の自立度が低下している。
そして、障害の軽度な要介護高齢者や在宅に居住する要介護高齢者においては、離床時間と日常生活動作の自立度とが密に関連しているとの報告もある。
つまり、離床時間を増やす=日常生活動作の自立度となります。
そして、軽度の障害の方は密に離床時間との関係性が強いという報告があります。
なぜ6時間の離床を行うべきか
「要介護高齢者における離床時間と日常生活動作能力との関係」論文より
・1日の離床時間を6時間未満と6時間以上で比較したところ
軽度の方
重度の方
在宅住居の方
施設入所の方
6時間以上の離床時間の方が歩行、立ち上がり、起き上がりの自立者が多い。
このことから、6時間以上の離床を促すことで自立度を低下させにくいということです。
つまり、6時間以上の離床(車いすに座る、トイレに行く、歩くなど)を一日行えば高齢者の方でも自立度を保つことが出来るということです。
では、どうやって活動を促すか
これが一番の課題ですよね。
みなさんも同じことで困っていると思います。
・デイケアやデイサービスに行って活動を増やす
・ご家族にお願いして外出機会を増やしてもらう
・食事の時は、車いすに座ってもらう
・トイレは、ポータブルトイレはあまり使わなず水洗トイレまで歩く
これらは、外出機会を増やしたり食事やトイレの時に活動する時間を作ってもらうことですよね。
もちろん大事だと思います。しかし、これだけでは6時間の離床は毎日行うことはできないと思います
離床を促すコツ
・まずは、利用者の一日の流れを把握する
・動いていない部分についてどうしていくか検討する
・利用者の話を聞いて趣味や興味ごとを聞き出す
・趣味や興味を一緒にやってみる
・それが普段の生活の一部になるようにスタッフ間やご家族と協力する
・本人からやるように仕向ける
この流れが利用者さんの離床時間を増やすコツです。
興味や趣味なんて聞いたって意味ある?
みんか絶対そうゆうと思います。そして、もしも趣味や興味があったとしても離床が増えるわけがないと思っていませんか?
そんなことはありません。
日常生活の一部として、趣味や興味が入ることで離床時間は増えます。
趣味や興味を聞いても「ない」と言われた方には
1
興味,関心チェックシートをおこないましょう。
「興味.関心チェックシート 訪問リハビリ」
と検索すると資料が出てきますので使ってみて下さい。
もしかしたら、ご家族の方とチェックを行うと本人が気づかなかったことを書いてくれるかもしれません。
2
ご家族に利用者のことを聞いてみましょう。
昔の話やどんな生活を送った方々なのかを聞くことで趣味や興味が出てくるかもしれません。
他にも、過去の写真とかも見せてもらえれば手掛かりがあるかもしれません。
3
利用者と座って話す時間を作りましょう
これまでどんなことをやってきたのか
何して遊んでいたか
仕事以外は何をしていたか
家にいる時はなにをしていたか
「趣味はありますか」ではなく、その方の生き方や今までの人生の話を聞いてみるといいかもしれません。
一時間以上同じ姿勢で座るべきではない
離床することは非常に大切ですが、例えば、座っている姿勢が一時間同じ姿勢は良くないです。
同じ姿勢で座ること=足の筋肉が動かない
「第二の心臓」と言われるふくらはぎの活動は停止状態に陥ってしまいます。言い換えれば、下半身に下りた血液を心臓に押し戻すポンプの働きが停止して、全身に酸素や栄養を送る血流が滞ってしまうのです。
「その状態が長引くほど、いわゆるドロドロ血と言われる状態になって血栓ができやすくなる。血栓ができると肺塞栓症になりやすいです」
30分から1時間に一度は足首を動かしたり立つなどしてふくらはぎに筋収縮を促しましょう。
まとめ
高齢者の方は、6時間以上離床することで自立度の低下を防ぐことができます。
そのためには、ただ離床を促すだけでなく趣味や興味を日々の生活に定着できるように介入していきましょう。
趣味や興味を聞き出すためには、チェックシート作成やご家族にお話を聞きましょう。ご本人には、「趣味はなんですか」ではなく人生や生き方の話の中で聞き出すようにしてみましょう。
最後に、離床は大切ですが同じ姿勢であることはよくありません。
1時間で足首体操をしたりトイレに誘導したりと動くようにしていきましょう。
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