「目的」を探すことが自主トレの定着に繋がる
「目的」を探すことが自主トレの定着に繋がる
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
訪問リハでは自主トレが非常に大切になってきます。それは、普段から運動をして欲しいからです。
自主トレは悪くはないですが普段の生活に定着するのはほぼないと思ってもいいのかなと思います。
理由は、自分が今まで自主トレを資料で渡してさらにチェック表を作ったりましたが定着して行う方はいなかったからです。
たぶん、目的が無いからなのかなと思います。
例えば、元気な人は動こうとするとき何かを目的にうごきますよね。
ダイエットしたいから体動かそうとか買い物に行くために車に乗って行こうとか何かの目的があるからこそ人間は動かないといけないと感じます。
自主トレに関しては、目的がなく目標に向かってひたすらやる。
こんなこと絶対続くわけがないですよね。
じゃどうすれば定着して運動してもらえるかについてお伝えします。
結論は、目的を持って動く習慣をつけるです。
理由は私たちが関われる時間は一週間の中でたった数分です。その中で何ができるというのでしょうか?その時だけ満足して終わっても意味がありません。いない時でも自分から動いてもらえることが必要です。
目的となるものを探す
どうやって探すか?
これは、話すしかないです。
リハビリの時間でゆっくり話す時間を作るのが一番いいと思います。
もし、座ることが可能であればそこでたわいもない話から目的を見つけられる会話をしていきます。
例えば、いつも化粧をしていない方がいたらそこを目的に使えるように話をして持っていきます。
利用者「面倒で、、もう歳ですし、、」
リハ「化粧した方が綺麗だと思いますよ。もったいないですよ」
利用者「面倒で、、」
リハ「化粧って認知症の予防にもいいですし見た目が明るくなると今よりも5.6歳若く見えますよ」
利用者「ちょっとやってみます」
こんな感じで話を進めます。
ですが、これだけではダメです。
一度化粧をしたら
「いやーやっぱり化粧した方が若く見えますし姿勢もよく見えていいですよ。次回も楽しみにしています」
このように褒めて褒めて次回も私はしっかり確認しますよということを伝えます。
そうすると、次回も忘れないようにやらなきゃとなり少しずつ化粧する回数が増えると洗面台に行くことが増えて、そこで座る時間も確保でき活動量は増えます。
目的となるものを考えながらそれに向けて話を進めてみて下さい。臨床が楽しくなりますよ。
普段の生活の中から目的を見つけて行う
掃除
食器を運ぶ
風呂掃除
など生活で必要なことを目的として少しずつ増やしていく方法です。
動いてない人にいきなりやれと言ってもやりません。
私は、チェック表を作成してやったものに〇をつけてくださいとお願いしました。
次回訪問したときに、大体少しの〇しかついてないと思います。
その時に、
「これしかできてないじゃないですか。次回来るまでにもう少しやっといてくださいよ」
この発言は最悪です。
ちょっとだけでも「3つも○あるじゃないですか。次は5つに増やしてみましょう」
どうですか?
なんか、やらなきゃっとなりませんか?
否定されると「ふざけんな。勝手にいろいろ言いやがって」と思う方もいると思いますが
肯定されると、「じゃもう少しやってみようかな」と自分から自主的にやろうという気持ちにさせることができます。
やはり、人に言われたからやるでは続きません。
なんでも褒めて褒めて褒め倒しましょう。
人に認めてもらうと嬉しいですしこの人のためならやってみようかなと信頼も高くなります。
生活動作を目的と決めて一度でもやったり、やらなかったとしても覚えてくれただけでも褒めてみましょう。
利用者は変わってきます。
自主トレは否定はしない
自主トレは大切です。
自主トレなんか必要ないようなことを書きましたが書類を作成して利用者のためにやっている方は素晴らしいです。
それすら考えられない人は利用者に関わる権利なんかないと思ってます。
ただ、自主トレだけで利用者の活動量が増えないという方がいたら「目的を探す」やってみてください。
まとめ
目的を探しましょう。
そして、地道に褒めましょう。
例えば、一週間に一日だけでも化粧が定着できたら化粧台までの移動と化粧している時間は活動できていることになります。もし、40分間化粧に時間を使っていたらリハビリ一回と考えてみましょう。
素晴らしくないですか?
ちょっとした変化を少しずつ伸ばしていくことで確実に変化をつけることはできます。
私たちの介入時間だけがリハビリではありません。利用者にとってはすべての時間がリハビリであり関わらない時間をいかに目的をもって生活してもらえるか。
訪問リハビリの真骨頂だと思っています。
以上簡単でしたが少しでも臨床に生かしてもらえたら幸いです。
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