理学療法士 キュンの在宅リハログ

「モニター、機器が少ない中でのフィジカルアセスメント方法」や臨床疑問をできるだけ分かりやすく、セラピストはもちろんのこと在宅に関わっている看護師やヘルパーにも使える情報を発信していくブログです。

「苦しい」と言われた時、どうしますか?

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「苦しい」と言われた時、どうしますか?

理学療法士のキュン(@kyunn23)です。

リハビリ中(離床時)に、「苦しい」と言われた時、表情で苦しそうなとき。

あなたならどうしますか?

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このイラストをみて、呼吸の方がおかしいとおもいませんか?

実は、「循環」の要因でも起きる場合があります。

苦しいからと言って呼吸だけとはかぎりません。

 

①循環   ②呼吸 を疑う。

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この順番で評価を進めていけば、見落としが少なくなるとおもいます。

 循環の要因を疑う所見

 

脈のリズム 不整脈

(すくなくとも30秒以上脈診を行う)

いつも不整脈がある方は、いつもより異常かどうかを評価しましょう。

 

血圧低下

最も早い測定方法は、

橈骨動脈(+)収縮期血圧80mmhg以上

頸動脈 (+)収縮期血圧60mmhg以上

 

特に頸動脈は、急に触れようと思っても難しいので日々の臨床でさわるクセをつけていきましょう。

                 

もし、、、、頸動脈も触れない場合は、

キャピラリーリフィリングタイム

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5秒押して3秒以上かか場合は、緊急性が高いです。

ただ、臨床上では四肢冷感があり高齢者の方の場合は、5秒以上で緊急性が高いと思ってもらえればいいと思います。

 

 

 

四肢の触診 

浮腫(+)冷感がありしめっている 

 

尿量・体重 尿量減少・体重ぞうか

尿量の目安 0.5ml/kg/h以下

尿の濃さ  濃い場合は、尿量減少と疑う

体重の目安 一日2kg増加(心不全兆候を疑う方は、定期的に体重測定を勧める)

 

 

呼吸の要因を疑う所見

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呼吸数 

早くて浅い呼吸 (わかりづらい場合は、頸部に聴診器を当てながら確認しましょう)

30回以上は注意が必要です。

 

痰の貯留 

「手掌振動(ラトリング)」の有無をチェック

リハビリ技師やナースが 「ラトリング」 という場合には、

「胸郭を触れて痰などの分泌物が呼吸により振動として触知できるもの」のことです。

 

やったことがない方は、痰がガラガラする方の胸に手で当てて感じてみてください。

振動が伝わってくると思います。

 

聴診

聴診は非常に簡単です。

低い音なのか高い音なのかを聞けばいいのです。

ただ、聞いただけで終わりにしないようにしましょう。

アクションを起こしましょう。

 

低い音→痰がある   吸引する

高い音→狭窄している 気管支拡張薬を内服する

 

(その他)

酸素濃度 90パーセント 以下

発熱38.0℃以上

ポイント

発熱は、いつもの1.5℃高くなっている場合は注意しましょう。

例えば、いつも36度であれば37.5度でも注意が必要です

 

 

さいごに

意識レベルの低下がある場合は、迷わずドクターコール

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ポイント

離床時の苦しさはの原因は、

【循環の要因】【呼吸の要因】をまずは疑う。

 

苦しいというと、呼吸を疑いがちですが、本当に緊急なのは循環による苦しさである場合が多いです。循環で苦しいかどうかを気にしながら評価をするとともに、総合的に「苦しい」原因を評価するようにしましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

下記の記事も参考にしてください↓

 

yamaga.hatenablog.jp

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