理学療法士 キュンの在宅リハログ

「モニター、機器が少ない中でのフィジカルアセスメント方法」や臨床疑問をできるだけ分かりやすく、セラピストはもちろんのこと在宅に関わっている看護師やヘルパーにも使える情報を発信していくブログです。

意識レベルの評価と伝え方

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意識レベルの評価と伝え方

理学療法士のキュン(@kyunn23)です。


意識レベルってどうやって確認していますか?

目が開いているかなとかボーっとしていないかなと見た目だけの評価だけに終わっていませんか?

 

この評価だけでは、誰かに伝えたとしても「それだけ、、、」と思われてしまいます。

開眼・認知・運動この3点は意識して伝えていくことが必要です。

 

結論は、「GCSに沿って評価を進める」です。

 

開眼・認知・運動3点の評価が行える、世界共通の評価である、医師への報告時も使用しやすいことからGCSが適していると思います。

 

訪問して、なんかいつもよりボーっとしていて反応が悪いなっと思うときどのように評価を進めていけばいいかお伝えします。

 

意識とは

「自己及び外界を認識している状態」

要素は大きく2つあります。

覚醒しているか 目を開いているか

認知しているか 見当識があるか

 

 

意識のメカニズム

脳に刺激を常に送っています。いろんな五感から得た情報を脳幹部を通って視床を通り大脳皮質全体を刺激することで私たちは起きています。

 

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脳幹 目を開ける(開眼)

大脳皮質 見当識(認知)

 

 

意識レベル低下を起こす原因

いろんな原因があります。チャートがあっても覚えきれないと思います。

 

臨床のコツとして意識レベルの低下の原因となる疾患を知っておくと「いざ」というときに役立つと思うので下記のを参考にしてください。

 

緊急度の高い意識低下

低酸素血漿

ショック

脳血管障害

 

頻度の高い意識レベル低下

脳血管障害

低酸素血漿

敗血症

 

GCSを使用したアセスメント方法の流れ

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ポイント

 M6とM5は指示が入るか入らないかのおおきな違いがある

最重症 3点

健常者 15点

8点以下は重傷者と判断します。

 

アセスメント方法

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    • 自宅に入って、いきなり「おはようございます」といってすぐに近くにいかないでその時の目を確認してみましょう。
    • 目を開けてたのか、声をかけて目を開けたのかを確認します。
    • 近くに寄って、「ご飯食べました、トイレ行きました」と聞きます。そこで認知がしっかりしているか確認します。「今日は何日ですか」は毎日聞かれると嫌がれる方もいるので人によっては注意をしましょう。
    • 手あったかいですねと握手すると大体の方は握り返してくれます。
    • ありがとうございますというと手を放してくれます。
ポイント

手を握ってくれる脳卒中の方は握ってくれるんですけどなかなか放してくれない方はいませんか。これは、従命反応が入ってなくて目の前に手があるから握ってしまうからです。これを、強制把握反射といって、認知症の方も多いです。

離してくださいといって離すことが出来る方は、従命反応がOKです。

 
  •  ここで、まだ目を開けない方は大きな声をかけたり刺激を与えたりしていきます
「○○さん○○さん」と大きな声をかけてそれでも目を開けない時は、直接刺激を与えていきます。
 
肩に刺激を与えると首が傾いたりして頸椎損傷の方や脳卒中急性期の方にはあまり良くないです。
じゃどうするか?
  • 鎖骨です。鎖骨に「とんとん」としてあげると結構な刺激がはいります。他の場所を叩くより骨伝導により刺激が強く伝わります。それで、開眼できるかできないかを評価してみてください。
それでも開かない場合は、痛み刺激を与えましょう。
  • 胸骨か眼下に刺激を与えるのがよくあります。爪にボールペンを押して刺激を与えるのもいいかなと思います。
 

報告の伝え方(意識レベルのみ)

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悪い例「訪問に行ったら、覚醒レベルが落ちていて調子がおかしいので来てください」

 

良い例「肺炎入院後に在宅で訪問サービスを受けている方です。訪問を伺う30分まえからベッドから起き上がれなく、声掛けにて開眼はあります(E)言っている言葉は理解できていません(V)握手にて離すことも可能で従命反応はあります(M)。」

 

 このように、GCSのアセスメント方法を行うと報告の仕方も変わってくると思います。

そのほかに、バイタルサインを追加して伝えてみてはいかがでしょうか?

 

意識レベルの評価がまだしっかり決まっていなかったから参考になる、このやり方も追加してみようと思った方がいれば幸いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 下記の記事も参考にしてみてください↓

 

yamaga.hatenablog.jp

 

 

yamaga.hatenablog.jp