LSVT BIG 在宅リハでの活用方法
LSVT BIG 在宅リハでの活用方法
こんにちは訪問看護ステーションで働く理学療法士の(@kyunn23)キュンです。
本日はLSVTBIGについて在宅でどのようにすれば介入が行えるかについてお話ししたいと思います。
資格を取得するには下記のリンク参照してください。
現在は、感染対策中でありZOOMでの資格試験となっています。
交通費、宿泊費が不要のため、今がチャンスです。
個人的にはZOOMでの受験資格でも介入自体には問題は無いと思います。
では本題に入ってきますが
入院時であれば医療保険が適用になるため、プロトコール(週4日連続の1時間介入を4週間続けること)は可能になります。
しかし、在宅でのリハビリは回数制限があるため、プロトコールに沿っての介入が現実的に難しい状況です。
資格取得からどのようなことが可能であるか記載してみました。
訪問リハの理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方がLSVTBIGやLSVTLOUDを取得後どのように臨床で生かせば良いかが理解できる
そもそも資格取得する価値はあるのか
実体験から、どのように関わればよいか、どんな資料を事前準備しておけば良いかを知り、介入に生かすことが出来る。
介入方法について
介護保険内で介入する場合
結論から言うと利用者さんは実費負担をお願いします。
訪問リハビリは、1週間の中で最大2時間しか介入が出来ないできない制度があります。
つまり1週間に2回の1時間であれば介入は行います。
あとの2回分に関しては利用者と相談して実費負担となります。
「週に2回だけでもいいじゃん」と思われる方がいるかもしれませんが、LSVTBIGはプロトコールが達成できないと、LSVTBIGと言わないらしいです。
医療保険『別表7』で関わる場合
訪問看護ステーションのみになります。
パーキンソン病ヤールⅢ以上であれば、医療保険での介入になります。介入制限もありません。指定難病の受給者証をお持ちのため、1ヵ月の上限が決まっています。利用者負担も少なく介入が行えます。
ただ、パーキンソン病の軽度者に対する介入ができないのが欠点です。
また、訪問看護ステーションのみの制度となるため、訪問事業所で同様の介入は実施できません。LSVTBIG希望であれば、訪問看護からの介入に切り替えることをお勧めします。
LSVTBIGを実施している病院との連携する場合
入院はしたくないけれども、外来で通院しながら行いたいって言う人はいると思います。
例えば
月曜日と火曜日は病院、水曜日と木曜日は介護保険で介入することが出来れば、
週に4日間を達成することができます。
利用者にとっても行く頻度は2回で済みながらも、自宅での介入も可能になります。
病院と同様の内容で連携が図れれば、実現可能と思います。
近隣病院が2施設実施しているため、近いうち宣伝へ行きたいと考えています。
LSVTBIGを取得する価値があるか
ケアマネの宣伝効果になる
今後進行していくことを想定した中でサービスを調整しようと考えていても、他のサービスがなかなか適応できず苦労されているケアマネさんはかなり多いです。
LSVTBIGの件をお話しすると、
ケアマネさんから「こんな資格があるんですね。パーキンソン病の利用者さんがいたら紹介しますね」言ってくれます。
難病に強いことをアピールできる唯一の資格だと思います。
事業主の利益が上がる
資格取得で8万円程度かかります。
ただ、一度介入するだけで、13万円程度実利益となり、資格取得を取り戻すことが可能です。
プロトコールでの介入が必要なため、回数も増えることから利益が上がるのわかると思います。
基本的には、1ヵ月間集中的に介入したあとは、終了となります。
例えば
3ヶ月又は6カ月間もう一度評価後
再度LSVTBIGが判断したのであれば、主治医の指示に従い介入が可能となってきます。
そのためLSVTBIGの利用者さんを3、4人確保しておくことで、状態にあわせていつでも短期集中で介入が行えるということです。
利用者さんの介入回数が減っている場合には、実施していくなど状況にもよるかと思いますが経営的には良い方法かと思います。
非定型パーキンソン病でも関りが行える
パーキンソン病だけではなく、被刺激性検査(声掛けにより大股で歩くことが可能な利用者)が陽性の方であれば、進行性核上性麻痺や大脳基底核変性症などの疾患も関わることが可能です。
幅広い疾患に対応が出来ることが非常にメリットに感じます。
介入を通して感じたこと
・3、4軒回りながらのLSVTBIGを実施していくことは体力が持たない。
・スケジュール調整に時間がかかる。
・毎日の宿題やカルテ等の資料コピーが非常に多い。
(1カ月介入で100枚以上はコピーしたと思われる)
・事業所内での初回利用者さんに関しては資料が膨大であり作成に時間がかかる。
・集中的に1ヶ月かかることで結果が出やすい。
・動画撮影は、介入には重要。
・訪問領域でLSVTBIGをしている事業所は、聞いたことがない。やるなら早めが競争に 勝てると思う。
・神経内科医師にも宣伝になる。
初回に膨大な資料作成が必要になってくるが、介入が進むごとに利用者も介入になれてくることもあり、用意する資料も少なくなってきます。
1時間常に声を出したり、大きなうごきをするため、介入者自身も体力がないと1カ月実施できないと感じます。
私の場合は、最初の1週間は、常に動画を回していました。そのたびにフィードバックして、動作の大きさを注意や指導してきました。
まとめ
介入方法には3つの方法があります。介護保険、医療保険、病院との連携です。
その中でも、医療保険での介入が一番実現可能と考えます。
資格取得する価値は、十分にあると思います。
・「神経難病が強い訪問リハビリ」のケアマネに宣伝することが出来る
・利益を十分に出せる資格である
・リハビリ介入の考え方を変えてくれる
介入方法について、もう少し聞きたい方はいつでもTwitterからDM下さい。
今まで読んでいただきありがとうございました。この記事より少しでも臨床に生かしていただけたら幸いです。
下記の記事も参考にしてみてください↓↓
呼吸器疾患の検査データ解釈からリハビリの関わりまで①
呼吸器疾患の検査データ解釈からリハビリの関りまで
お久しぶりです。
訪問看護ステーションで理学療法士をしています(@kyunn23)キュンです。
本日は呼吸器疾患の利用者に対しての検査データの解釈やそれをもとにどうリハビリを進めていったらよいかについて、臨床の中で自分が考えたことや調べたことについてデータごとに分けてお伝えしていきたいと思います。
個人的な見解も含まれているため、ご理解下さい。
今回は、
①スパイロ報告書ってなんですか
こちらについて、症例を参考にしながらできる限り分かりやすく伝えていきたいと思います。
間質性肺炎、2型呼吸不全を合併した症例について
それでは症例に移っていきます。
70代女性。5歳の時にポリオを発症し、右片麻痺を呈する。
その後、70代前半にて慢性呼吸不全でHOT導入となる。特発性肺繊維症も合併する。
もともと自宅で夫の介護をしながら生活をしていたが、夫の逝去から精神的にもダメージが大きくなり、一人暮らしは困難となる。慢性呼吸不全の治療や施設入所も視野に入れたサービス調整目的で入院となった。
その後、施設にて看護リハビリ目的を含め退院となる。
さて、、、
ここから呼吸器疾患特有の検査データについて確認していきたいと思います。
こちらスパイロ報告書になります。
ん??なに??となりました。笑
少し見づらいですがご了承ください。
では1つずつ解説していきます。
スパイログラムについて
スパイログラムとは、呼吸器に関する病気の性質や病状を調べるものに必要な検査のことです。
肺活量とは
VC =肺活量といいます。
最大吸気位より最大呼気位までの容量で、この量が標準と比べて低い(80%未満)場合、拘束性換気障害といいます。
上記①資料より53%となっていますね。
下記グラフに当てはめると、拘束性換気障害に当てはまります。
努力肺活量とは
FVC=努力性肺活量
胸いっぱい吸い込んだ空気を、できるだけ勢いよく吐いて測定します。 最大吸気位から最後まで吐ききるまでの量をみます。
一秒率とは
ただこれは体を見ると努力肺活量が0.86に対して1秒量が0.85。????と思った。
これだと計算式に当てはめてしまうと1秒率が98%に達してしまう。
これは個人的な意見ではあるが、努力肺活量と1秒量に関しては予測値よりも値が低くはなっている。この辺から言える事は努力星肺活量とほぼ同等の1秒量の値だったため1秒率が高い数字になってしまったと言えるのではないかと思われる。
まとめ
上記データより、吸うことも吐くこともうまくできなくなっており換気障害が生じている。%肺活量53%であり、拘束性障害がとても強い状態である。
リハビリとしては、胸郭の柔軟性の強化と換気量を増やすために呼吸介助が必要であると思われる。換気が常に悪いことから、高二酸化炭素血症になりやすいため注意が必要である。呼吸数や手のほてりを確認しながら介入していくことが求められる。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
下記の記事も参考にしてみてください↓
地域について何も知らないセラピスト あれもこれも書かず厳選した内容を提供 すぐに臨床で使える3つのポイント
地域について何も知らないセラピスト
あれもこれも書かず厳選した内容を提供
すぐに臨床で使える3つのポイント
こんにちは
理学療法士のキュン(@kyunn23)です
まだ地域リハを経験されていない方
これから地域リハを経験される方
地域ってどんなことを頭に入れておけばいいかいろいろあって分かりませんよね
そんな方のために
地域のことについて分かりやすくまとめました
内容は、分かりやすさをモットーしています
その分、削り落としてある部分もありますので臨床が楽しくなってきたら、もう少し学んでみようと思う方は自分で深掘りしてみてください
『馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない』
こんな言葉がありますが、このブログで水辺につれていくことはできます
そのあと、水を飲むのはあなたです!!
最初に出会う不安は解消できます
地域ってどんなものか理解できる
他職種のこと、主な介護サービスを理解できます
豆知識を知ることが出来る
ことができます。
今回は大きく3つのポイント
①どうしたら介護サービスを使えるようになるか
②地域ってなんなの?
③豆知識
についてお伝えします
3年以上地域の経験をされている方には知っている内容ですので復習程度に読んでいただけたらと思います
介護保険サービスってどうしたら使えるの?
利用資格
40歳以上が大前提となります
65歳以上
40から65歳未満
二つの区分に分かれています
65歳以上であればどんな疾患でも介護給付を受ける対象者となります
しかし、40から65歳未満は特定疾患によって介護また支援が必要となった方となります
この記事は16疾病についてわかりやすく解説しています
https://www.minnanokaigo.com/guide/care-insurance/specific-disease/
ポイント
40~65歳未満の方は、16疾病がない場合は受けられない?
介護保険サービスは受けられません。例えば)脊髄損傷、認知症など
40歳以下の方はどうすればいいか?
医療保険でのサービス介入となります。
介護認定までの流れ
ポイント
・退院後にサービスを使いたい方
介護保険の申請がスムーズに行えるように社会福祉士(MSW)の方が調整(ご家族に電話)を行います。
入院中は、自力で役所・役場の窓口に行けませんので、手続きは家族やケアマネジャーなどの代理人を通じて行いましょう。
・要支援・要介護の申請中にサービスを受けたい方
本人の状態などによっては要介護認定の結果が出るまで待っていられないという場合もあるかと思います。
介護保険法では、要介護認定の効力は申請のあった日までさかのぼることになっています。
つまり、要介護又は要支援の認定が下りれば、申請時から利用した介護サービスも保険給付の対象となるため、介護サービスとして利用することができます。
介護保険サービスは40歳以上から使用できる
65歳未満までは、16疾病に該当してることが条件である
介護保険の手続きは、入院中であれば社会福祉士の方で調整していただける
入院中でも介護保険が申請が出来る
認定結果が出なくてもサービスを使うことが出来る
地域ってなんなの?
大きく3つの要素があります
①家庭
本人と家族から構成される家庭
②関係者
家庭の外側にいる人たち
③環境
自宅あるいは自室での環境をどう生かすか
地域とのかかわり
この3つから生活が成り立っていると考えて介入すると支援の仕方も変わってくると思うます。
ポイント
ぜひ、臨床で意識していただきたい部分があります
それは①家庭です
地域リハを頑張ろうと多職種と積極的に介入することは大切ですが、この部分の配慮がないと介入は絶対にうまくいきません
私自身が最初の頃は、「何とかしてあげよう」といろいろ提案をして困らせていたことがありました
「何かしてあげよう」ではなく「力になれるように支えていこう」
このような考え方のほうがうまくいくことが多かったです
同居している家族は複雑な立場に置かれています
問題を抱える「当事者」
本人を支える「支援者」
2つの立ち場があります
病気や障害を抱えているのは本人ですが、家族も本人との関係の変化に戸惑い、混乱しがちです。
「自分が頑張らなくてはいけない」
「体調がおかしい。私のせいだ」
「この人を守れるのは私だけ」
このように心身の不調(ストレス)を生じやすいです。
ではどうしたら良いか?
家族も当事者と考えてかかわりを意識することです。
例えば
「今はこれを目標にしていきましょう」
「ご家族はこういう点に配慮してください」
など現時点での生活を具体的にどうすべきか助言することが大切だと思います
また、帰り際に「体調はいかがですか」「私と一緒に○○さんを、、」と伝え、いつでも相談にのれますよ、自分だけで抱え込まなくても良いことを伝えていくことも効果的だと思います
ご家族は、リハビリを取り組む本人を支えるチームの一員でもあり、しかも常に一緒にいるだけに、もっとも重要な役割を果たす「キーマン」であることに注意しましょう
地域は3つの要素からなる
家族も当事者と考える
家族こそリハビリのキーマンである
地域にはどんな人たちがいるの?
地域には、病院とは違いいろんな方が一人の利用者に対して密に関わっています
その中でも臨床で話をする機会が多くリハビリに関係している方々を紹介します
・ケアマネージャー(介護支援専門員)
要介護と認定された方から相談に応じ、本人やご家族の希望や心身の状況から自立支援に向けてケアプランを作成、介護サービス事業所や行政と連絡調整を行う職種
・ヘルパー、介護福祉士
掃除洗濯といった家事援助、食事、排泄、入浴などの身体介護を行う。
・訪問看護師
医療処置(カテーテル交換、インシュリン注射、点滴、血糖測定など)や医療機器管理指導を行います。終末期患者に対しての緩和ケアも行われます。
健康状態(血圧、体温、呼吸、脈拍など)をチェックし、その状態に関するアドバイスも行う。
要介護者に対して福祉用具の紹介と貸与、販売などを行う。
・医師
訪問診療を行い治療の指導管理、検査、投薬、処置などを行います。
ポイント
ケアマネージャーとは、密に連絡(いいこと、悪いことなど)を取ることをお勧めします
→他職種の方もケアマネージャーに情報を送っています
そのため、話の中で必要な情報も入ってくることが多いからです
ケアマネージャー以外の方に何か伝える場合は、ケアマネージャーを通して伝えて頂きます
→どうしても直接話をしたい場合でも、一度ケアマネージャーに話をしてからが良いと思われます
福祉用具専門相談員の方とは、適宜福祉用具の状態を話すことがおススメです。
→「ご本人は安心して使えています」
「徐々にふらつきが強くなりもう少し安定性の高いものが必要かと思います」
とか1カ月に一度の点検があるのでその時に直接話をするのがいいと思います
褥瘡や歩行時のふらつきは、早い段階で福祉用具を検討する必要があります
日々の状態を伝えてこのままでいいのか、見当が必要なのかを話していきましょう
訪問看護師や介護福祉士とは、ADL状況の確認、介助指導について教えてくださいと依頼が多いです。
→「この人は何が出来て、何が出来ないか」
「このような介助をすることで安全に行えます」
「声掛けもこんな感じでやってみてください」
と伝えてみてください
あまりリハビリ用語を伝えてもわからないと思うのでこのように簡単でいいと思います。
特に、お風呂場やトイレの移動について聞かれる場面が多いので臨床では一度は確認した方がいいと思います
医師とは、報告書を作成し情報を伝えています。
→いつもと違う変化があれば直接または、ケアマネージャーを通して伝えて頂きましょう。
どんなサービスは知っていると臨床で使えるの?
他にもありますがこの4つは良く聞かれる言葉です
デイサービス
入浴目的、生活機能維持・向上を目的とした機能訓練、ご家族の身体的、精神的負担の軽減などがあげられます。(現在は、デイサービスにも理学療法士の方が在籍されておりリハビリ特化型と呼ばれるデイサービスも増えました)
デイサービスとデイケアの違いって何ですか?と言われることがあります
大きな違いは、医師を常駐させる義務があるかどうかです
デイケアは、医師を常駐させる必要があります
デイサービスは、必要ありません
サービス内容の違いは、個別リハビリがデイケアにはあるということです
ただ、デイサービスにも場所によっては個別リハビリがあるのでサービスの多様化によって違いが分からなくなっているのも事実です
あとは、デイサービスに比べて若く認知面もしっかりされている方が多く、リハビリに意欲的な方が多い印象があります。その環境下でリハビリを希望されるのであればデイケアを勧めます
ご家族に都合があるときや精神的ストレスがあるときなど一時的に施設に入り生活を送って頂くサービスです。介入時に、ご家族が疲れているなと思ったらこのサービスを提案してみてもいいかと思います
このサービスは、定期的な予約がないとすぐに希望しては入れるわけではありません
日程が分かれば早めにケアマネージャーに相談するように伝えましょう
訪問入浴
看護師1名を含めた3名(または2名)のスタッフが自宅に訪問し、専用の浴槽を使って入浴サポートをしてくれるサービスです
どうしてもデイサービスに行きたくない方や呼吸器疾患があり自宅で入浴すると酸素が低下してしまう方などが対象です
組み立て式になっており車での持ち運びが行えるようになっています。
豆知識
レンタルできるものできないものについては頭に入れておく
直接肌が触れるものに関しては、購入となります
下記の2つはレンタルできるかよく聞かれますので覚えてください
腰掛便座
ポータブルトイレを購入される方は多いです。レンタルできないことは把握しましょう。
入浴補助用具
入浴時に使う椅子、手すり、バスボード、浴槽内外のすのこ、介助ベルトは購入
ポイント
原則として、同一品目を重複して購入することはできません。
要支援、要介護区分に関係なく1年間で10万円まで購入が可能です。
レンタルできるものは介護度によって変わる
ポイント
要介護1と要介護2の間でレンタルできるものが変わってきますのでここはしっかり押さえてください
要支援1~要介護1:手すり、スロープ、歩行器、歩行補助具杖(T字杖は対象外)のみレンタルが可能
これだけあれば十分じゃんと思われる方いると思いますが、車いすやベッドをレンタルしたい方は結構います。
もし、この介護度で欲しいとなれば購入して頂くことがほとんどです。
原則として要支援1~要介護1の軽度者で日常的に歩行や起き上がりが困難な場合は、車いすやベッドをレンタルすることが可能となっていますが臨床で経験したことはありません。
理由は、そのような方であれば、要介護2以上になる事が多いからです。
住宅改修費用は20万まで可能
要支援・要介護の認定区分にかかわら ず補助対象となる費用(上限20万円)の一部を支給されます。
例えば)1割負担の方であれば18万円分は支給され2万円分は自己負担となります。
つまり、18万円分が支給されることになります。
住宅改修の種類(主なもの)
・手すりの取り付け
・段差解消
・扉の取り換え
入院や入所中の方はご利用できません
一人生涯20万までの支給限度基準ですが
要介護状態が重くなった時(3段階上昇時)
転居した場合
例外的に再度20万円の支給限度基準額が設定されます。
まとめ
今年の春から地域リハビリを経験される方
私自身が地域へ出るにあったって初めに知っておいた方が良かったことを思い出して書かせて頂きました
事業所のリハビリスタッフが少なく、一人で訪問に行かなくてはいけない不安の中で少しでも安心して臨床に臨むことが出来るようになれば幸いです
みんな不安の中で仕事をしています
あなただけではありません
一緒に頑張りましょう
今回は
介護サービスはどうやって始まるのか
地域ってどんなものでどんな人が関り、どんなサービスがあるのか
臨床で使えそうな豆知識ってどんなものがあるか
この3点についてお伝えしました
他にもこんなことを書いてほしいと要望があればぜひTwitterからDM待ってます
最期まで読んでいただきありがとうございました
下記の記事も参考にしてみてください↓
ブログにあたり下記の本を参考にさせていただきました
エビデンスに基づいたわずか数分でどんな環境でも行える転倒評価
エビデンスに基づいたわずか数分でどんな環境でも行える転倒評価
久しぶりの投稿になります。
理学療法士のキュン(@kyunn23)です
本日は、転倒リスクについてエビデンスを交えながら評価方法をお伝えします。
みなさんは、転倒評価の時に何を評価していますか?
バランス評価?
動作評価?
他にどんなことをされているでしょうか?
在宅では、
ある環境の中で
限られた時間の中で
的確に評価を行なっていかなければいけません
これらは、代表的な臨床的バランス能力指標です。
たぶんほとんどの方が、臨床でこれらの評価をしたことがほとんど無いと思います。
理由は、環境(椅子がない、リーチ動作をしたいが物が置いてあってできない、広い空間がないなど)の問題と労力がかかることが挙げられると思います。
POMAに関しては、当事業所でも使用している評価なので屋外歩行時の評価に使用しますが時間と労力がかかり非効率に思えます。
では、どうすればいいか?
この環境と労力の問題を解消してくれる評価があります。
それは、
①的確な問診
②簡易的なバランス評価 です。
普通じゃんっと思われた方!
普通のことをエビデンスに基づいてやるだけなんです。
なぜエビデンスが大切か!
例えば、
私たちもこの動作ができれば杖を使わなくても歩ける指標だとエビデンスで理解しているので
「ここから立ち上がれれば杖は使わなくても歩ける指標です」
と伝えることができます。
また、このように伝えると
「この高さで立てるように頑張ろう」
と基準が明確になるので利用者のモチベーションも一気に高くなります。
転倒リスクを評価しつつ、利用者のモチベーションも高めることができる方法であり、私も実践しています。
病院勤務されている方にも分かりやすい内容になっていると思いますので最後まで読んでいただけると嬉しいです。
転倒の危険因子とは?
転倒するリスクが高くなる因子ってバランス以外に何があるか理解されているでしょうか?
身体的要因や環境的要因などのさまざまな要因が示されています。
そして、これらの転倒リスクを把握することが転倒発生率を30 〜40%減少することが可能と報告があります。
つまり、これらを評価していくことが転倒評価で必要になるということです。
問診や観察内容
転倒歴
すべての高齢者に対して効率的な転倒危険性を把握すべきとしている。
一年以内の転倒歴があれば、高リスク群と判断し、家屋環境を含む多元的な評価を行う必要があると示している。
つまり、転倒歴を問診で聞き出して一年以内に一度でも転倒していたら高リスク群と判断して介入していかなければいけない。
初回評価時には、
「いつ、どこで、どのように」と話を進めて一年以内に転倒があったのか聞けると一つの指標になります。
起立性低血圧
ふらつきや失神を惹き起こすことから転倒の危険因子となります。
心機能低下や糖尿病を有する人、長期臥床があった人などで生じやすいです。
また、服薬状況との関連性もあることからこれらを念頭に置いた介入が必要です。
視力障害
視力と転倒発生率を検討した報告では、
利用者が4m離れた誰かの顔を確認できない場合の転倒発生率はオッズ比1.64、新聞紙が読めない場合は2.0であるとされている。
つまり、問診で
「視力はどのくらいですか?」と聞かないでください。
「私の顔がよく見えますか?新聞は読めますか?」と質問することによって転倒リスクを把握することができます。
歩行能力
基本的に、歩行速度が遅い人は転倒リスクが高い。これは、リハビリの方であればわかると思います。
よく教科書に、
「自由歩行速度が1.14秒(10m歩行所要時間8.8秒)以下の人が、、、」
このような記載がありますが在宅で10mの距離を測定して評価するのは難しいです。
そこで、歩行時になにを観察して欲しいか!!
歩行時に話しかけた時の反応を観察してください
つまり、歩いている時に会話をするたびに止まってしまう人は転倒リスクが高いということです。
ぜひ、歩行訓練時に意識して会話してみて下さい。
バランス評価については後ほどお話しします。
服薬管理
高齢者では、薬物に対する感受性が一般成人と異なり、副作用発現率が高くなるため、薬剤師の副作用による転倒のリスクなら注意が必要です。</p
つまり、服薬情報(抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬を内服している人や5種類以上の薬を服薬している人)は、転倒リスクと非常に密接な関係をしています。
上記3つの薬を服薬していないか
5種類以上の薬を服薬していないか
この二つだけでも問診やお薬手帳で確認してみるといいと思います。
認知面、心理面
認知障害は、転倒及び転倒による骨折の危険因子となる。
MMSEで見た場合、スコアが18〜23の75歳以上高齢者では、認知障害がない人に比べて転倒による大腿骨頸部骨折のリスクが2倍となると報告している。
心理面では
「転倒恐怖症」転倒に対する永続的な恐怖は、転倒非経験者に比べて高いと報告している。
これらより、認知障害がある方や転倒恐怖症がある方は、転倒リスクが非常に高くなるということがわかります。
認知症があるか怪しい方は、積極的に検査を実施して転倒リスクを把握するといいと思います。
また、一度でも転倒された方は転倒恐怖症になる可能性が非常に高いです。
転倒される前に予防できればいいのですが、転倒された方であれば安心できる環境を提案することで恐怖症を克服できると思います。
バランス能力
転倒研究を分析した結果、バランス能力の指標は、最も多く研究された転倒を予測する因子であり、バランス能力の障害は転倒発生率を増加させると報告している。
つまり、転倒リスクを評価する上で欠かせないものということである。
そこで2つの簡易バランス評価をお伝えします。
これの凄いところは、確立されたエビデンスがありながら労力もかからず、そして環境にも左右されないところです。
直立検査
一つ目は直立検査です。
安定した屋内歩行の目安
タンデム立位での20秒程度の立位保持
閉眼閉脚立位で30秒間の立位保持
屋内歩行の自立
閉脚位での立位保持能力が必要
と報告している。
下の表が望月らによる20秒間の立位保持能力と歩行能力との関連性を示した表である
この評価は、タイムウォッチだけあればどの環境でもできます。
椅子からの立ち上がり
2つ目は、椅子からの立ち上がりです。
下肢筋力の低下は転倒発生率を増加させる要因であると報告している。
筋力評価にはMMTやハンドベルトダイナモメーターなど測定する方法があります。
しかし、MMTは測定値の客観性には限界があるということ、ハンドベルトダイナモメーターなどの筋力測定器を用いた方法は、客観的な評価が可能であるもそもそも機器が無ければ使うことができない。
そこで、筋力測定器を持参してない場合には、椅子からの立ち上がり動作からおおよその筋力水準を測定することが出来ます。
連続歩行の自立に十分な筋力水準として0.40kgf/kgの膝伸展筋力との関連を示している
40cmに調整した椅子やベッドなどから、手支持を用いず立ち上がらない症例は、独歩に必要な下肢筋力閾値を有していない可能性が高く、歩行に関して監視や介助、もしくは歩行補助具の選定が必要と報告している。
上記の表が、座面40㎝に調整した椅子やベッドなどから、手すり支持を用いずに立ち上がれる時の膝伸展筋群との関係を示したものです。
ベッドや椅子の高さを測定して手支持なしで立てるか今日からやってみてください。
まとめ
まずは、問診や観察で
①転倒歴
②起立性低血圧
③視力障害
④歩行
⑤服薬状況
⑥認知症や認知障害
6つを評価していきましょう。
そして、
バランス能力として
直立立位と椅子からの立ち上がりを行い評価を進めてみましょう。
初回評価時には、利用者の状況が把握できていないこともありとても有効な手段だと思っています。
最期まで読んでいただきありがとうございました。
この記事より少しでも臨床に生かしていただけたら幸いです。
下記の記事も参考にしてみてください↓
薬剤から合併症を予測し読み取る
薬剤から合併症を予測し読み取る
こんばんは。理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
薬剤を調べることでさまざまな情報を得ることができます。
薬剤の基本的な重要事項2つです。
①薬剤はなんらかの症状があるから使用する
②どんな効果的な薬剤でも必ず副作用がある
つまり、
①薬剤の種類から「症状」「合併症」「疾患」か予測できます。さらに、薬剤の量の変化から今の状態がわかります。
②副作用を把握しておくことでリスク管理ができます。
薬剤の種類から「症状」「合併症」「疾患」を予測
新規の依頼が来た時は、もちろん薬剤の情報は確認すると思います。
なぜやらなきゃいけないかと言うと薬剤の種類から「症状」「合併症」「疾患」を見つけることができるからです。
これがそんなに重要なの??
と思われる方もいると思います。
理由は、サマリーや主治医からの情報提供書の記載は薄っぺらな情報しか載っていません。これだけに頼ろうとすると情報が全然足りないからです。
例えば、指示書の疾患名に脳梗塞、糖尿病、高血圧が記載してありました。もちろん、薬剤も抗血小板薬、インスリン、降圧剤だったら同じなのでいいですがそこに抗てんかん薬や睡眠安定剤も飲んでいたとしましょう。
「この人は、てんかんを過去に何度かやっているな。夜はあまり慣れていないのだろうか。」
と考えられますよね。
そうなると、初回の問診にて
「てんかんっていつ頃発症されたんですか?それはどんな時になったんですか?どうしたら治ったんですか?どんな痙攣の仕方をしていたのですか?」
「夜は寝れていますか?トイレには頻回に行くんですか?日中は寝てしまいますか?夜間のトイレのふらつきは大丈夫ですか?トイレまではの環境を見せてもらってもいいですか?」
このように薬剤情報から問診の内容を増やすことができます。そして、他の問題やリスクを予測しやすくなります。
ぜひ、訪問にいかれる方は薬剤情報を一度確認してから介入することで漏れのない問診を的確に行い、何か副作用らしき症状があればすぐに対応しやすくなります。そして、利用者から信頼されること間違いなしです。
薬剤の量から状態を把握する
病院の受診や往診の時は、薬の変更があるかも知れません。
薬の量や内容の変更があってもこちらから質問しないと「いつのまに変わってたんですか」となりかねません。
例えば
血圧がいつもより低いなと思って聞いてみると「こないだの受診の時に降圧剤を増やしてもらった」
血糖値が落ち着いてきたと思ったら「インスリンの量を増やしてもらった」
というか、その場合がほとんどです。
家族や本人から薬剤情報を伝えてくる方はほとんどいないと思っていいと思います。
理由は、リハビリにはそんなに関係ないと思われている方が多いからと考えています。
このように利用者は、薬が変わったり量の変更があってもあまり気にされなかったり、話すまでもないと思う方が非常に多くこちらからの声かけが必要になってきます。
もし、変わったけどどんな薬が増えたり減ったりしてのかわからない場合は
お薬手帳を確認して前回受診日と比較し量や内容を確認しましょう。
それをもとに何が良くなってて何が悪くなっているかみていくことができます。
副作用を把握してリスク管理を行う
副作用って沢山あって覚えるのが大変
いろんな薬を飲んでいるから、副作用なのかなんなのかよくわからない副作用を知ったからどう介入に生かせばわからない
多分こんな感じだから副作用について調べて介入する方って少ないのかなとおもいます。
訪問理学療法の対象となる利用者が服用する
頻度が高い薬剤とその副作用、動作への影響についてまとめました。
睡眠導入剤、抗不安薬
夜間、薬効が持続しているなかで、トイレに行くと覚醒不良のため転倒する危険性があります。
また翌日への持ち越し効果(ふらつき、運動失調、意欲低下など)も現れやすく、下肢の脱力によって転倒の危険性が増します。
服薬中の利用者においては、
睡眠中や翌日の午前中の様子を注意深く観察し、認知機能や運動機能に支障はないか、理学療法中の眠気や意欲低下などの副作用がないか確認する必要があると思います。
質問】
夜はどのくらい寝ていますか?
夜中、トイレに行くときにふらふらしますか?
夜はどの程度寝ているか確認して一日の流れを把握しましょう。
また、夜間は副作用にて歩行時のふらつきがあるのでその点について聞くことで環境調整にも役立つことが出来ます。
抗パーキンソン病薬
長期投与により、さまざまな日内変動が起こります。
wearing off現象:薬効時間の短縮に伴い昼前や夕方に無動や歩行困難が起こります。
on-off現象:服薬時間に関係なく急激かつ不規則な日内変動で一日に何回も繰り返す。
幻覚や妄想などの神経症状が出現して、コントロールが困難となる。
服薬1時間後を目安に介入することが望ましい。しかし、on-off現象も重なってしまうとその時間でも無動や歩行障害が出現してしまうので注意が必要。「なにかが襲ってくる」など恐怖症状等あれば副作用だと考えご家族に説明しましょう。
リハビリ中は、日内変動の体調の変化に気を付けましょう。
日内変動を時間でチェックしたければ「パーキンソン病症状記録ノート」がインターネットにて無料ダウンロードできるので使用してみるといいですよ。
降圧剤
脳血管障害の予防としても使用される降圧剤には、過度の降圧作用によりめまい、頭重感が起こりやすい。
このため、理学療法の体位変換、特に立ち上がり時(起立低血圧)には、転倒に十分な注意を要します。
副作用が強くなる場合は、薬剤の減量・変更・中止などが必要となる。
降圧剤の中にもいろいろな種類があり主に3種類についてあげます。
B遮断薬
心臓のポンプ機能を弱めて、末梢血管を拡張させ降圧します。
心拍出量を低下させるため、徐脈になりやすく運動を行っても脈拍が増加しにくいこともあり運動強度には注意が必要が必要です。
ACE阻害薬
簡単に言うと、アンシオテンシンⅡという物質が生成されると血圧が高くなる。それを阻害することによって降圧作用を行う。
副作用として空咳が好発します。
この薬は、脳血管障害の発症を抑制し、腎保護作用と心肥大抑制作用をもち、糖尿病患者の合併症の予後改善、心房細動の新規発生を予防するという点で注目されており、年々使用頻度は増えている。
a₁遮断薬
動脈を拡張させたり、排尿を促進させて(利尿作用)降圧させる。
利尿作用 チェックポイント
副作用として「脱水」があげられます。
質問】おしっこはどのくらい出ていますか?
のどが渇いたりしてませんか?
フィジカル】頻脈がある、口の中が乾燥していないか
これは、交感神経の過剰阻害による過度の降圧作用により、起立低血圧を引き起こす場合があり、転倒のリスクとなるため注意が必要です。
経口血糖降下薬、インスリン注射
副作用は低血糖症状です。
これにより、うつ状態やせん妄を引き起こすことがあるため、十分に注意が必要です。
特に運動療法(ブドウ糖を消費する有酸素運動)を施行している場合に、低血糖症状が誘発されやすくなります。
リハビリ時は、対象者の様子を観察し、低血糖症状による自覚症状の有無を常に確認するべきである。
午前中に介入するのであれば朝食をとっているのか確認しましょう。そして、服用したかも確認します。
理由として、夕食~朝食は一番時間が長いことから朝食を抜いた状態で介入すると低血糖症状になっている可能性が高いと思ってください。
もちろん、午後であれば昼食の確認も必要です。
脂質異常症治療薬
ミオパチーや横紋筋融解症が起こる可能性があり、対象者が筋肉痛や脱力感、全身倦怠感、こむら返りなどたびたび訴えた時はこの副作用を疑いましょう。
特に激しい運動を行なっていないにも関わらず筋肉痛や脱力感等の症状があった時は、ぜひ薬に対しても目を向けてみるといいと思います。
ステロイド薬
長期投与による副作用はみなさんご存知だと思うので症状が起こった場合の対応についてお話しします。
その場合は、薬剤減量も大切ですが、副作用の症状に合わせて降圧薬や糖尿病薬、脂質異常症薬、骨粗しょう症薬などを併用することも検討が必要だと思います。
これに関しては、リハビリ職がどうこう言ったから内容が変わるわけではないですが知識として知っていただければと思い書かせて頂きました。
では理学療法としてなにを注意して介入すべきか。
それは、視力障害による転倒の危険性があるので注意が必要です。
まとめ
訪問理学療法の対象は、体の状態が悪い方が多いことから副作用が起こりやすくなっています。
そして、内服している薬剤の副作用がADLの低下をきたしている場合もあります。
今後、リハビリの場面でも、利用者が服用している薬剤を把握し、その副作用によって訪問理学療法や日常生活にどのような影響を及ぼすのか、介入時に起こりうる危険性も予測して行っていくことが必要であると考えます。
紹介
今回、この記事を書くにあたり
「訪問理学療法技術ガイド」を参考にさせていただきました。
この本は、辞書のようなもので分からないことがあればその都度調べることが出来る優れものです。
福祉用具から薬剤情報、リスク管理、アプローチ方法、疾患別理学療法など訪問系の教科書でこれほど幅広い分野を網羅されている本はないと思います。
ぜひ、訪問リハで関わっている方は1冊持っていたい本です。
手に取ってみてはいかがでしょうか?
以上簡単ではありますが、臨床で少しでもお役に立つことが出来たら幸いです。
訪問リハビリが福祉用具で関わるポイント
訪問リハビリが福祉用具で関わる3つのポイント
こんばんわ。理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
突然ですが、リハセラピストが福祉用具に関わる時、皆さんはどうしていますか?
「これ持ってきてください」と自分の意見だけを福祉用具の方に伝えたり、「福祉用具の方に連絡しときますね」と任せっきりになっていませんか?
または、福祉用具の方の意見を「ハイハイ」とうなづいてるだけになっていませんか?
理想は、
リハセラピスト「この人は〇〇でこんなものがいいと思います。ぜひ、これに近いものを用意していただくといいと思います。」
福祉用具専門相談員「わかりました。こちらで探してみます。リハビリの時間に持っていきますので評価して下さい」
リハセラピスト「わかりました。一緒に確認お願いします」
こんなやりとりが一番いいと思います。
リハセラピストはパンフレット以外にも福祉用具はたくさんあり知らないものもあります。
それなら、福祉用具の知識が豊富な方に数ある中から適切なものを選んで頂くことが利用者のためにもあるからです。
つまり、福祉用具専門相談員の方の意見も取り入れながらリハセラピストの視点から必要なものを用意してもらう。これがベストだと思います。
では、
リハセラピストはどんなことを普段確認していけば良いか、そして、どのように関わっていけば利用者のために関わることができるかについてお伝えします。
介入時の見るべきポイントを理解できる。
未来のことも想定していくことが必要と理解する。
モニタリングの重要性を理解する。
福祉用具専門相談員の福祉用具に対する考え方
リハセラピストの関わり方の前に福祉用具専門相談員の福祉用具に対する考え方を知る必要があります。
理由は、なぜ福祉用具専門相談員はこの福祉用具を選んだのか理解する必要があるからです。
そこを理解していないと
「なんでこんなの入れたんですか」
「全然本人に合ってないじゃないですか」
となってしまいます。
私の臨床経験上で思うことをあげさせてもらいます。
個人的な意見ですので参考程度に見てください。
家の中での生活を理解せずにその場所でできるものを探している。
お話を聞いた中で良さそうなものを持ってくる。
応用動作を考えずに単に前に進めるかなど簡単な動作を想像して選定。
つまり、動作を確認せずお話の中で選定し、ある一定の空間の中の特定の動作情報で考えている。
これが私の思うことです。
では、どうすればいいかというと
そこの足りない部分を補うのが私たちの役目だと思います。
その部分も完璧に理解している福祉用具専門相談員がいたらリハセラピストの必要性がなくなります。
その時は、
「きたきたー俺の出番だ」
と考えて、足りない部分を補う姿勢を持って関わりましょう。
そう思うことで福祉用具専門相談員の方に話を聞いていただけるようになり利用者に適切な福祉用具導入を可能にできるとおもいます。
リハビリとして関わる3つのポイント
臨床にてこれが大切だと思う部分を3つだけ挙げさせてもらいました。
この3つさえ確認しておけば利用者に迷惑をかけずに介入できると考えています。
生活で使用することで変形するものや削れるものに対して確認する癖をつける
滑り止めの摩擦具合
歩行器のジョイントの緩み
立て手すりの緩み
車椅子のタイヤのエアー
ベッドマッド
タッチアップの土台の固定
車椅子の背張りや座面の緩み
ポジショニングクッションの劣化
思いつく限りをあげました。
特に、杖のゴムの劣化や車椅子のエアーを見落としてしまうと転倒の危険や移動しづらくなることから注意が必要です。
しかし、分かってはいるんです。
分かってはいるんです。
しつこいですね!笑
分かってはいるものの見落としてしまうことが何度かあります。
分かっているだけではだめで、意識してみていかないと劣化や変形したまま生活してしまうことがあります。
なぜ、意識しないと見落としてしまうのか?
理由として、何事もなく生活できているから見落としてしまうからだと思います。
ぜひ、ケアマネージャーや福祉用具から先に対応されるのではなく週に一回以上関わっている私たちから積極的に対応していきましょう。
私たちが一歩先に起こり得るかもしれない状況を見つけることで、住み慣れた家で過ごす生活をこれからも送り続けることができると思います。
福祉用具専門相談員の方も見逃しがちなので定期的に見てもらえるからと言って安心してはいけません。自分の目や触って確認しましょう。
使い方を教える、定着して正しい方法でできるてるかチェック
リハセラピストに一番求められている部分ではないでしょうか。
使い方をおしえる。
よく間違えるのは、使い方を教えるだけではダメです。
「教えたやり方が定着して行えているか」
です。
私もやりがちですが、
やり方を伝えてそのあと
利用者「やっていますよ」
私「わかりました」
で終わっていることがあります。
これは、教えてもう大丈夫と考えてしまっているからです。
書いている本人がやってしまっているので困っちゃいますよね。
そうならないようにアウトプットのためにも書かせてもらってます‼️
つまり、いかにそのやり方で定着して行ってもらえるかが大切ですので1ヶ月に一度は確認する時間を持つことが重要です。(モニタリング)
「できているからではなく定期的にチェックする」を心がけましょう。
ご家族に対しても同様です。
リフトの使い方や移乗介助、歩行介助、声かけの仕方など一度伝えた後にモニタリングの時間を作らないとリハビリの時間だからといって利用者の近くに来ないことって多いと思います。
利用者の邪魔にならないようにと気を使ってくれているかもしれませんが積極的に家族も巻き込んで関わっていけたらいいのかなと思っています。
介助方法や福祉用具の使い方を定期的にチェックして、定着しているかの確認作業をしましょう
予後を考える
なんぞやと思った方もいると思います。
例えば、
片麻痺の方で車椅子自走していると体幹の代償が入り体が傾くことで使っていくことで姿勢不良になるかもしれない。
→クッション等検討
ギャッチアップベッドを使うことで体は楽に起こせてもその姿勢を続けることでお尻にズレの圧がかかり皮向けになるかもしれない。
→楽リアモーションベッド検討、ポジショニングクッションを検討
片麻痺の方が4点杖を過剰に使用して歩いていたら杖側の肩から腕のあたりが痛くなってくるかもしれない。
→ロフストランド杖検討
このように、現在はいいものの長年同じものを使うことで将来起こり得る状況を把握することで即座に対応しやすくなると思います。
ただ、なんで悪くなることを想定してるのに導入するのかという疑問にぶつかります。
それは、「今が良ければそれで良い」と私は思っています。
現時点で安全でやり易くて生活のしやすい方法であれば積極的に提案するべきだと思っています。
例えば、
何度か転倒しながらでも家の中を伝えて歩きで歩いている方がいました。
現時点で安全で生活のしやすいことから車椅子自走が良いと考え、車椅子での生活を提案しました。
これ結果的には、車椅子になることで歩行する時間が減り、足の力が低下しバランス機能も同時に低下するため徐々に悪くなりますよね。
しかしながら、現時点で安全に生活を送れれば導入時は問題ないと思います。
理由は、家に居続けることが一番のリハビリだと思うからです。
どんな方法であろうとも家に居てもらうためにやれることはした方がいいと思います。
そのためには、家族が負担のかからないことと利用者が転倒少なく安全に生活できることです。
ただ、予後を想定していることが前提です。
予後を想定することでその時その時に利用者にあった安全な方法を再度提案することが出来ると考えるからです。
予後を想定してかかわりを持つことで変化に気づきやすく対応が早くなり家で暮らせる時間を増やせることが出来る
まとめ
1
劣化したりズレたりするものは日々チェックを行いましょう
2
定期的(約1ヶ月に一回)は定着して行えているか評価を行いましょう
3
導入した福祉用具の予後を想定して即座に対応できるようにしましょう
この3点が私の考える福祉用具の関わり方です。
最後に
セラピストが訪問で関われる時間は、1日のうちのごくわずかです。
セラピストには自分が対応している時間だけでなく、利用者の1日の生活を考える視点が大切です。
その中で、福祉用具をはじめとする環境調整の意義は大きいと考えています。
しかし、利用者や家族の想いや住宅環境など様々な要因によって活用が難しいことも珍しくありません。
そのためには、新たな情報にアンテナを張り、提案の引き出しを増やし、選択肢の幅を広げることも考えながら介入していきましょう。
この記事が少しでも臨床に行かせることがあれば幸いです。
今後指導方法については、今後の記事で紹介したいと思います。
この指導方法を知りたいという方いましたらTwitter(@kyunn23)の方にDMでどうぞ!!お待ちしております。
疲れやすい=筋肉・体力・精神面なものと直結するという安易な判断はいけない
疲れやすい=筋肉・体力・精神面なものと直結するという安易な判断はいけない
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
「疲れていてリハビリやりたくない」と患者さんから訴えがあるとき、
頑張りましょうと励ましてみたり
いろいろ利用者に対して思うことってありますよね。
もちろん、精神的な面で疲れている人であればいいのですが
身体的なところで疲れている人は危険のサインです。
昨日訪問に伺ったのにケアマネから「昨日入院しました」と連絡があると
「なんでそうなったんだ。あの時○○も確認しとけばよかったかも」とか「もう少ししっかり評価しとけばよかった」と後悔すること沢山ありますよね。
しかし、私たちが悔しいことよりも利用者のほうが入院することによって苦しい思いをしています。
すこしでも、早めに気づいて軽症で抑えるためにも適切な疲れに対しての評価方法を覚えましょう。
疲れやすい=筋肉・体力・精神面なものと直結するという安易な判断はせず、順を追って評価をすることできます。
例えばのはなしですが、
AとBどちらが暗く見えますか?
正解は、AとBは同じ色です。
つまり、疲れを目で確認してもこのように間違いを犯します。
目だけでなくフィジカルアセスメントをしっかり行い危険なサインにいち早く気づきましょう。
疲れやすい人の症状とは
色があさ黒い
息が上がっている人
皮膚の張りがない人
目のちからが弱い
昼間から寝ている人
身体面と精神面の判別ポイント
身体面
一か月未満の疲れで夕方になると強くなる
運動時に悪化する
精神面
一ケ月以上の疲れで朝になると強くなる
運動時は改善される
このことから3つのポイントを伝えます。
①どのくらいの期間
②いつ疲れが強いか
③運動後はどうなるか
を確認してみるといいと思います。
ここで、重要なことは「運動後の疲れ」です。
普通は、「運動したら疲れるじゃん」と思い聞かない方がほとんどだと思います。
実際は、精神的な方は運動したほうが改善します。
3つの問診で身体面か精神面なのかを判断してみましょう
身体面だと判断すれば、以下のようなフィジカルアセスメントから得られた情報をもとに原因疾患を推定していきます。
フィジカルアセスメント方法
よくありがちな呼吸苦とか不整脈ではなく見落としがちな部分について覚えやすいゴロと合わせて4つポイントをお伝えします。
貧血
貧血による疲労感や倦怠感の出現は 5.0以下であり危険な状態。
実際には、8.0以下になると起きたくないなどの症状が出現します。
良く教科書には、眼瞼結膜の蒼白と書いてありますが高齢者であればほとんどの方は蒼白しています。じゃ何を確認すればいいか?
貧血が進行している人は、手が真っ白か確認します。
臨床でも、貧血気味の方はいますが多少は赤みがあります。
その方は、Hb8.0程度です。
手が真っ白ということはそれだけ緊急性は高いと思います。
疲れ+手が真っ白の場合は、主治医に相談して輸血をお願いしてもいいと思います。
感染症
①体温 ベースラインから1.5℃以上上昇
例えば、36℃が平熱とすると37.5℃の場合は、感染症と疑いましょう
高齢者の方は、もともと体温が低いのでいつもの値からどの程度上昇したかが重要です
②デルタ心拍数20のルール(熱と脈のバランスをみる)
体温1℃上昇 →心拍数20回/分以上増加 感染症による発熱の疑いがある
例えば、いつも脈が60台。体温37.5、脈70だとすると感染症の疑いは少ない。
もしかすると、こもり熱などの可能性が高いということになります。
うちわで仰いだり、布団をはがしたりしてみると熱が下がると思います。
低栄養
総蛋白 6.0以下
アルブミン 3.0以下
低栄養と筋力低下には相関関係があります。筋力強化のリハビリをおこなっているのにも関わらず筋力低下する場合は、低栄養を疑いましょう。
ふくらはぎの一番太い部分が、両手の親指と人差し指で作った輪より小さく隙間が出来れば可能性は高いと考えられる。
脱水
常に血管内脱水(高齢者は、貯水槽が少ない状況にあるといこと)があるにも関わらず、一日の水分摂取量は少なく、口渇の感受性も低下しているため脱水と常に隣り合わせにあります。高齢者というだけでも、脱水の可能性を考えていきましょう。
食欲が減っており水分もあまりとっていないときは、
ツルゴールテストをしてみましょう。
手の甲をつまんで10秒経ってもシワが残る。
ただ高齢者は、常に血管内脱水があるためシワが残りやすいので判断が難しいです。
脇が乾燥していると可能性は高いようです。(研究結果では一番確実らしい)
しかし、脇をいきなり触らしてもらうことは抵抗があると思います。
ですので、舌の乾燥。
これをしてもらえればオッケーです。横側に亀裂があったりしたら脱水を疑いましょう。
フィジカルアセスメント方法の覚え方
「貧血鑑定団」
ひんけつかんていだん
貧血 貧血
鑑 感染症
定 低栄養
団 脱水
こんなので覚えられるわけないと言っている方
「これかなり、使えます」
自分もそうでしたが一度定着すると、この一言でいろんな状況を想定して問診や評価を行うことがスムーズにできますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
疲れを評価するには、
貧血、感染症、低栄養、脱水この4つのポイントはしっかり抑えましょう。
在宅現場では、良く起こりうる疲れのポイントです。
他にも、いろんな症状はありますが全部気にしていたら日が暮れてしまいます。
まずは、ここから探っていき徐々に他の評価も行っていきましょう。
4つのポイントを知ることによって
フィジカルアセスメントによって疲れの原因が概ね断定できれば、
主治医に「○○さん。訪問に伺ったら疲れを訴えていました。もともと手の色は白くはないのですが今日は手が真っ白です。貧血の疑いがありますがどうしたらいいですか?」
と的確な質問をすることも
疲れが出現するだけで、すぐに手の色を見る癖がついて幅広い症状にも対応することが出来るようになります。
上記のフィジカルアセスメントと合わなくても4症状について問診するだけでも情報は沢山得ることができ、そこからでも原因を突き止めていくこともできるようになります。
ぜひ、疲れの訴えがあったときはすぐに「貧血鑑定団」と頭に出るようにしてみてください。
その他 疲れの目安
心臓による疲れの離床目安
①「最近夜は寝れなくて座っている」と言われる 起坐呼吸
②「そんなに食べてないのに急に太りまして」と言われる 浮腫んできてる
離床しないほうがいいと思われます。
肺による疲れの離床目安
①SPO2がベースラインよりも4%低い場合
(もともと96%なのに92%の場合、いつものリハビリはしないほうがいい)
パルスオキシメーター
これさえつけておけば大丈夫と思わないでください。
ガス交換しか反映していません。
換気の要素は無視しているので、呼吸数は絶対見ないといけません。
②呼吸数は30回/分以上は注意。
呼吸数は、唯一バイタルの中でコントロールできるので脈を測定している間に気づかれないように確認しましょう。
15秒で何回呼吸したかで×4でもいいと思います。