便秘 姿勢との関係
便秘 姿勢との関係
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
在宅患者では、便秘になる方をよく見かけると思います。
理学療法士として便秘に対して介入していることはありますか?
このようなことをしている方は多いと思います。
結論から言うと「腸の蠕動運動には姿勢の関与がある」ということです。
身体を起すことで起立大腸反射が起こり、腸の蠕動運動を促進させるからです。
今回は、便秘患者に対しての理学療法についてお伝えします。
姿勢修正を行う
高齢者では円背となる事が多いです。
円背を呈すると、腹部内蔵が下方へ押され腸を圧迫します。その結果、腸の蠕動運動を阻害し便秘を発生させます。
この場合は、姿勢矯正の指導や姿勢を修正するトレーニングを積極的に取り入れるべきです。
脊柱を伸展することで腹筋群と背筋群の持続的な同時収縮を促すと良い。
姿勢と排便の関係
直腸肛門角が開くよう少し前傾座位姿勢が良いとされる。仰向けでは腹圧のかかる方向と肛門官の方向が一致せず便の排出が困難となり便秘の原因となる。
座位トレーニング方法
排便出は、座位保持が重要なことは述べたが、重力を利用して効率的に便を排出するためにも座位保持は必要である。
座位で腹圧をかけるためには、やや前傾位が好ましい。
座位で腹圧をかけるトレーニングとして座位で体幹を屈曲し前方から抵抗をかける。
また、理学療法で良く行われる座位バランス訓練や座位保持能力向上はADL能力向上に欠かせないが、座位保持能力は体幹機能を向上させ、結果として排便出にとってもよいトレーニングとなる。積極的に座位バランス訓練を取り入れてみるのもよい。
まとめ
便秘のある患者には、座位や立位を行い積極的に起こしていきましょう。
姿勢が崩れている人がいれば修正することに時間をかけてみましょう。
排便時は、座位で行い少し前かがみでの指導を行いましょう。
以上簡単ですが臨床に生かしてもらうことができれば幸いです。
血圧は数値だけで判断せず代償しているものを考える
血圧は数値だけで判断せず代償しているものを考える
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
血圧ってそもそもなんですか?
と言われた時どのように答えますか。
「 血圧=心拍出量×末梢血管抵抗」となります。
今回は、血圧=心拍出量×末梢血管抵抗について簡単に説明します。
心拍出量について
心拍出量は、心臓の強さになります。
心拍出量=一回拍出量×心拍数で決まります。
心拍出量は、1分間の心拍出量=1回の拍出量×1分間の心拍数になります。
一回拍出量は、前負荷、後負荷、収縮力で決まります。
前負荷とは、心臓に戻ってくる静脈血量のことです。心臓は、戻ってくる血液量が多いと強く収縮しようとします(フランク・スターリングの法則)
例えば、脱水等で循環血液量が低下していると戻ってくる血液量も少ないため収縮力が低下します。そうすると、収縮力が低下するので代償して心拍数が上昇しますよね。
後負荷とは、心臓が血液を拍出する際にかかる抵抗のことです。血管が収縮していると高くなり、緩んでいると低下します。
例えば、心臓から送り出す血管が細いと血管抵抗が強くなり、打ち勝つことが出来ないと拍出量は低下します。
このように、送りこまれた時、拍出する時、収縮力の低下のどこかが原因で一回拍出量は低下します。
末梢血管抵抗について
末梢血管抵抗は、血管の通りづらさになります。
臨床では、心臓の機能低下はある方で血圧の値はいつもと変わらないけど手足が冷たいって人いますよね。
理由は、心臓の機能が低下しているのを補うために末梢血管抵抗を強くすることで血圧を保っているからです。
逆に、心臓が強い人は末梢血管抵抗を弱くして血圧を調整しています。このとき、手足は暖かくなります。
このように、血圧は心臓の機能と末梢血管抵抗二つの関係性が非常に大切です。
手足を触って暖かいか冷たいか確認することは抹消血管抵抗を評価するのに重要です。
まとめ
血圧は、1分間に心臓から送り出される血液量と血管の太さや硬さによって変化します。
そして、一回拍出量は心臓に送り込まれる量や拍出の際の抵抗力、収縮力で変化します。
送り出される量が減ると心拍数で代償したり、血管が細かったり硬くなると心臓に負担をかけていかないといけない。
血圧は、値が正常だったとしてもどちらかで代償していることを考えてみて下さい。
そうすると、なんでこの薬を飲んでいるのか、どこに負担がかかっているのかを理解できてリスク管理能力が高くなると思います。
以上簡単な説明てましたが臨床に役立てることがあれば幸いです。
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寝たきりの利用者 キーパーソンとの関わりが生活を支える
寝たきりの利用者キーパーソンとの関わりが生活を支える
お久しぶりです。理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
寝たきり利用者のご家族との関わり方って難しいと思いませんか?
全然大丈夫という方は、これから下は見ないでOKです。
先に結論をいうと
「キーパーソンになにか起こる前に普段から介護者との適切な関わりを持つ」です。
理由は、キーパーソンに何かあると利用者も生活できないからです。
寝たり利用者を自宅で介護される方は、強い信念を持っている方が多く、自分の介護に自信を持ち、なかなか心を開いていただけるには時間がかかるケースが多いです。わたしの関わり方がいけないのかもしれませんが、、、。
そして、利用者のことが第一でキーパーソン自身の体調は後回しになりやすいです。
わたししかいない
大変だけどそんな弱音は吐けない
自分しかやれる人がいないと強い気持ちがあることから不安や悩み事を伝えにくい環境にいると思います。
日々の疲労や体調について正直な話がないと見た目のみで判断するしかなく、「急に疲労で入院しました」とか「以前から体調が悪かったようで検査入院しました」とケアマネから連絡があったときはこちらの責任です。
キーパーソンに何かがあると、寝たきり利用者は自宅で生活を送れないです。
せっかく今まで頑張って介護されてきたのに自身の体調不良で介護できなくなるのは切ないですよね。
そのようにならないためには、キーパーソンのちょっとした変化をこちらから察知していくことが大切です。そして、介護方法の検討やサービス内容の変更を行い身体負担を軽減するような方法を多職種と相談してくことが必要です。
しかし、こちらから察知するだけでは足りないです。
キーパーソンから私たちに「今日はいつもの介護で疲れているせいかめまいがします」「おむつ交換の時に腰をひねって痛いです」こんな関係が出来たらすぐに対応ができるので素晴らしいですよね。
そのためには、相手から話してもらいやすい関わり方が必要です。
理由は、読み取る頃には腰痛が悪化した後だったりめまいが強くなった後にわかる場合が多いです。症状を早期発見できればその後の対応も簡単なもので済むかもしれません。
では、どのような対応を取ればいいのでしょうか?
間違っていても一度は褒める
自分ならどうか置き換えてみてください。
例えば、「このやり方はあまり良くないのでこうしてみて下さい」
この時、365日一日中ずっと介護してきた方はどう思うか考えてみて下さい。
「わたしは一生懸命やってるのになんでそんなこと言われなきゃいけないの。認めてくれないの。」
そんな気持ちになりませんか?
実際は、その時キーパーソンの方は「わかりました」と言いますが伝えたやり方で介護している方はごくわずかです。
人によってはそうゆうところから関係性が崩れて大切なことを伝えてもらえない関係性になりかねません。
やり方が間違っていても「今日も口腔ケアしっかりできていますね。舌もとてもきれいで、こんなにしっかりやっている方奥さんしかいないですよ。もし大変でなければ、もう少し舌がきれいだととてもいいと思いますし、乾燥予防でタオルをベッド柵にかけてみるか加湿器をしてみるといいと思います」
このように伝えるとやってみようと思いませんか?
「わたしの介護の仕方は間違ってないんだ。」と認めてもらった上でこうした方がいいと伝えているからです。
ぜひ、間違っていても褒めてから伝えたいことを伝えてみて下さい。
伝えたいことは口にしない
先ほどのように言葉で伝えてもやり方を変えない方には「言葉で指導しない」これにつきます。
例えば、ベッドから車椅子に移す時に横になってる状態から思いっきり座られて介護される方がいたとします。
リハビリ中は、横向きの状態からギャッチアップを徐々に行い足を下ろしてもらってからゆっくり座るようにしています。
この時、キーパーソンにもみてもらいながら「このやり方も楽でいいと思います」と強制するわけではなくキーパーソンに選択肢を与えてあげます。
これをみたキーパーソンが「このやり方どうやってやるんですか?」このような言葉が聞けた時はしっかりやり方を伝えます。
ぜひ、やり方を見せてからキーパーソンに選択肢を与えてみて下さい。
自分で選んだことは納得してやりますよ!
しかし、すぐにはこのようになる事は少ないと思ってもらっていいと思います。
何回か介入しているところを見てもらうとある日そんな話があると思います。
根気強くやってみましょう。
帰り際の一言
帰り際の一言は皆さん何を伝えていますか?
これが一番大切だと私は思っています。
「失礼いたしました」
「また、お願いします」
この言葉は、非常にもったいないと思います。
帰り際の一言ってめちゃくちゃ効果があって次週の訪問時にその一言で変わることもあります。
ポジショニングが指導通りにできていた場合「ポジショニングがとてもよかったです。来週も同じように出来るといいですね」
キーパーソンが疲れた顔をしていた場合
「介護の不安や心配方があればなんでも言ってください。キーパーソン〇〇さんの体も大切ですからね。」
この言葉で、気持ちが変わる人は結構います。
なんでそうなるか?
帰り際は、今日のリハビリの印象を大きく左右するからです。
例えば、デートの帰り際に「じゃまたね」と言われるのか「今日は○○が楽しかった。また会いたいね。」と言われるのかどちらがいいですか?
いくら、デート中が良い雰囲気でも帰り際がそっけなかったりすると今日のデートそのものが良くなかったと思いませんか?
リハビリも、いくら内容が良くても帰り際の一言で印象を悪くしたり、指導した内容が継続できなかったりするので最後の最後まで気を抜かず関わりましょう。
まとめ
私たちが介入するのは一週間にたった数分です。その時は、無理して笑顔で接してくれているかもしれません。
それ以外の時間は、毎日おむつ交換をしたり、体を拭いたり、夜何かあるか心配で寝れなかったり、今後のことを考えたりと想像以上に大変な日々を過ごされていると思います。
だからこそ、介入していない時間のことも考えて発言や対応をしていかなくてはいけません。
いろんな我慢をして言いたいことが言えない環境に私たちがさせてはいけません。
利用者のために介入することは、キーパーソンの体調管理にも目を向けていくことが必要です。
この記事を読んで少しでも臨床で生かせるないようがあったら幸いです。
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1日400回「起立・着座訓練」で機能改善
1日400回「起立・着座訓練」で機能改善
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
理学療法士はいろんなことを考えて感覚や運動にアプローチしていかなくてはいけない。
そう思っていました。
この本を読むまでは。
著者は、リハビリ医師として33年間で1万人以上の患者を改善させてきた実績を持つ方です。
リハビリ医師が考えるリハビリ技士に求めていることは、
②筋活動をできるだけ強く豊富に誘発すること
その方法として「起立・着座運動」に勝るものはないということです。
理由は、座位や立位、歩行動作よりも下肢の筋力強化に有効だからです。
今回は、リハビリ医師が現状のリハビリに疑問を持ち「起立・着座訓練」を提唱していることについて自分の意見も交えながら考えてみました。
現状のリハビリ
リハビリ医師が求めていることは、「患者さんの足の筋力を鍛えてほしい。」これなんです。
では、理学療法士の方も同じような考えて介入してるのでしょうか?
現状のリハビリは、
動いてもらうよりも手技を意識してベッド上での介入が多い
時間が余るからマッサージや話をして時間を使おうとしている
座位のバランス練習をする
麻痺側の腕を他動運動で多くの時間を使っている
運動に時間を使う時間が非常に少ないです。
理由は、
「質ではなく時間で単価が決まる」
「何をやっても同じ単価」
「勉強会に行って覚えてきて患者さんに提供しても同じ単価」
正直何をやってももらえる金額は同じであるため、その時間内を安全に何事もないように、そして相手も自分も疲れないような方法を選択している方が多いのも事実です。
また、運動を主に行うことで「他の方はもう少し優しかった」と比較され利用者から嫌われ役になりがちな事も要因にあると思います。
どんなリハビリが間違いなのか
リハビリ医師は
・健側を強化することこそ早く歩行を回復する
・下肢を重視したリハビリを行っていない
・リハビリを行えるのは療法士だけという思い込み
このように伝えています。
どれもがリハセラピストにとって心に突き刺さる言葉が多いのではないでしょうか?
私は、「麻痺を治そうとする治療は改善をだめにする」この言葉は非常に考えさせられる一言でした。
麻痺側に時間を使うと全身運動や健側へのアプローチが不足してしまいます。それが廃用症候群の進行を促してしまう可能性もあります。また、健側への強化を行う時間も少なくなるので歩行やトイレ動作が回復しづらいことも懸念されます。
ただ、「リハビリ=悪い所を動かせるようにしてほしい」というイメージを持たれている方が非常に多いので健側を強化することが果たして患者さんの希望に沿っているのかについても疑問があります。たしかに、麻痺側を治療することで他の部分の介入が少なくなりますが実用的に麻痺側が動かなかったとしても「前よりも動くようになった」と思うことが大きな原動力となり「起立・着座訓練」よりも大きな成果を生むことも私は必要だと考えます。
なぜ起立・着座なのか
手すりなどを持つことによって安全に実施が出来る
歩いているときよりも健側の力もつきやすい
麻痺側にも筋活動が多い
つまり、片麻痺の患者さんは歩行するよりも起立・着座訓練に高い効果が期待できると言えるのです。
家庭でのリハビリの一環として散歩をしている方(60分3メッツ)がいますが、1分間で起立・着座訓練6回を一時間(3メッツ)行うと運動の強さが同じなんです。
これは、家の中で行えるので続けやすいメリットだと思います。
厚生労働省が勧めるのは一週間で23メッツ。
つまり毎日1時間1分間に6回ずつ行うことでそれに近い運動量になります。
3メッツ✖️7日=23メッツとなります。
回数で換算すると1日に起立・着座訓練が400回から600回となります。
起立・着座訓練を400回行うだけで歩くのが良くなったり、トイレに行けるようになったり、嚥下機能を良くなるようです。
やってみる価値は大いにあると思います。
どのように起立・着座を行うのか
この運動で必要な道具は「手すり」と「椅子」です。
腰かけたときに膝関節の角度が90度になるのが基本ですが、脚力が低下してる方は少し高さを上げます。上げるには、座面にクッションを置いたりして調整をします。
最初は2から3回行いバイタルを確認します。徐々に増やしていき1セット10回となれば3食の前後で60回となります。それを1セット50回になると一日8回どこかで行えるようになると400回可能となります。
んーーーこれ正論はわかります。
ただ、こんなん絶対無理でしょと正直私は思います。
じゃやらないかというとそうではなく一回でも多くやる。これが私の考えです。
400回出来なくても利用者さんと目標を決めていけば少しづつ回数は増えてくると思っています。今後、少しずつ臨床で取り入れていけたらと思います。
でも、起立・着座だけではリハセラピストとしては考えられない
誰でもできるからこんなん私たちが行う必要はない。もちろんあるとおもいます。
それなら、ご家族や施設スタッフに協力してリハビリの時間以外にも取り入れてもらうようにしてもいいかなと思っています。
まず私たちが起立・着座訓練を行い「○回なら連続でできますよ」「その後○分休憩してから○回続けてください」「○○回まででやめてください」と利用者の訓練内容を細かく伝えることで実施してもらえることは確実に増えますし、利用者も目標に沿って行えるので継続して出来ると思います。
そのためには、やはりリハビリ時間内での介入は必要になってくると思います。
すべてそれをやる必要はなく、例えば定期的に立ち上がりの評価日を決めてその日に重点的に行うでもいいと思います。
利用者さんもつらいしあまりやりたくない介入ですが、確実に成果は出てくると思います。
まとめ
起立・着座訓練を一日400回を行う。現実、ご高齢の方にこの回数を行うのは無理があるのかなと思います。
400回がゴールではなく「1日10回立ち上がりを継続する」これも一つのゴールでいいと思います。何事も、本人から継続的に動いてもらう機会が増えればそれでいいのと考えます。
在宅でも動いている方のほうが良くなるのはまぎれもない事実です。
モビライゼーションや姿勢修正、座位保持訓練これらも大切ですが少しでも利用者から動いていただけるように回数を設定しながら「起立・着座訓練」を行うのは大切なことだと感じました。
ぜひ、気になる方はこちらの本を手に取ってみてください。
COPDの食事動作に伴う身体負担
COPDの食事動作に伴う身体負担
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
COPDの方を介入する等、食事動作を気にされるかたはどのくらいいるでしょうか?
どうしても、基本動作や歩行動作に目が行きがちですがとても重要です。
「今日はご飯食べれましたか?」と聞くと
「あまり食べてません。食欲ないけどそれでも食べなきゃいけないと思って食べてます。」
このとき、「もうちょっと食べなきゃだめですよ」と伝えますか??
私なら「食事は呼吸が苦しくなって大変ですよね。食欲がなくなるのも分かります。こまめに分けて少しずつとってきましょう。」と伝えます。
私たちは、基本的にお腹が減ると食事をしますよね。
COPDの方は「痩せないように食べないと」「体重が減ったらおわりだから」と食事本来の意味が変わっています。本当に食べることがつらいんです。
それだけ、無理をしてでも食事をとらなければいけないのです。理由は、健常人に比べて呼吸だけで10倍以上のカロリーを消費するからです。
そのためにも、食事動作に目を向けて少しでも楽に食べられる方法を検討していかなければいけません。
では、COPDの方はなぜ食事動作が苦しくなるか、どう改善していけばいいかについてお伝えします。
- 食事の飲み込みにくさがある
- 咀嚼中に呼吸が浅くなる
- 咀嚼に伴う呼吸への影響に無意識に身体が反応している。
- 安定した座位姿勢をとならければいけない
- 手や腕を動かすことが呼吸運動を妨げる
- 指導ポイント
- まとめ
食事の飲み込みにくさがある
嚥下時に呼吸が中断されることによる呼吸のリズムの乱れが生じるため呼吸筋の緊張が見られたり、大きく息をすることが見られます。
例えば、マラソン後にご飯を食べろと言われても呼吸することに必死ですよね。食べるためには、呼吸のリズムを変えて落ち着いてから食べますよね。
COPDの方は、極端に言えば常に息切れの状態なのです。
呼吸が苦しい中普通は食べ物を食べないですよね?理由は、食事によって息が止まり呼吸がしづらく余計に疲れるからです。
COPDの方は、その中で頑張って食べれる範囲を食べているのです。
咀嚼中に呼吸が浅くなる
咀嚼中に時間がかかることで呼吸が浅くなり、酸素飽和度の低下や呼吸数の増加がみられ、呼吸が苦しくなるという身体への影響がある。
咀嚼に伴う呼吸への影響に無意識に身体が反応している。
食事を口に運び入れることによって、呼吸筋のリズムが乱れ呼吸状態が変化するという身体への影響があり、身体への負担がかかります。
安定した座位姿勢をとならければいけない
食事をするための態勢を保つことが身体への負担となりエネルギーを消耗したり、呼吸が乱れたり、疲労する原因となっています。
手や腕を動かすことが呼吸運動を妨げる
食事を口に運び入れるために手や腕を動かすことが呼吸筋の動きを妨げ、呼吸筋の緊張を強めたり、呼吸回数の増加が生じます。
指導ポイント
- 食事はこまめに時間をかけて食べる
- 座位姿勢を評価して楽な姿勢で食べてもらう
ひじ掛けの高さや椅子の高さがあっているかを確認。
- 手や腕の動きを少なくするため、テーブルの高さを調整したり、自助具を検討する
- 食事の形態について評価
硬いものなど噛む回数が増えるとエネルギーを消費するのでのどに通りやすいものがオススメです。
まとめ
COPDの食事動作は、食べ始める前の呼吸調整から負担があり、食事が進むにつれて悪化していきます。
食事動作はCOPD患者にとって重要な活動の一つとして目を向けていくべきものです。
どのように食事を取っているか、呼吸との調和をさせているのか、食事中の姿勢、手や腕の動かし方によって生じる呼吸状態や全身状態への影響を包括的に評価して支援へと繋げていくことが必要だと考えられます。
この記事を読んで少しでも食事に目を向ける機会が増えたらうれしいです。
以上簡単ではありますが最後まで読んでいただきありがとうございました。
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呼吸法 起座起立を徹底的に指導する
呼吸法 起座起立を徹底的に指導する
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
呼吸指導はどのようにされていますか?
もちろんたいせつですね!
しかし、これらは酸素が低下しないように生活できる適切なポイントを伝えているでしょうか?
やはり、生活の中で使える呼吸法を伝えることが習慣化されやすく持続しやすいと思います。
では、どうするのか?
結論は、「息切れが強くなる動作の時に呼気を促します」
理由は、力が入る動作の瞬間は息を止めるため常に酸素を必要としている方には息切れの原因となるからです。
今回は、在宅で使える呼吸指導についてお伝えします。
普段息切れが強くなる動作
立ち上がり動作
着座動作
この二つです。
理由は、立ち上がりや着座動作は非常にエネルギーを使うため酸素も多く使います。そのときに、息を止めてしまうと酸素の取り込みが悪くなり苦しくなります。
この2つの動作を徹底的に反復して呼吸指導します。
なぜ、この二つなのか?
食事
車椅子に移動する
入浴
これらの動作の前後には必ず2つの動作が入るからです。
つまり、生活を送るためには立ち座りが必ず必要なのです。
呼吸苦が強くなると動くことをためらい活動量が低下します。その原因は、初動作の立ち上がりの仕方が非常に重要と考えています。そのポイントで酸素が下がると歩行やトイレなどの動作で息切れがさらに強くなります。
息切れが強くなると改善までに時間がかかるので、息切れが強くならないように立ち上がりのところから指導をしていきましょう。
呼吸指導のポイント
立つときや座るときに息を止めずに吐きながら行うようにします。
「たったのこれだけです」
例えば、立つときは「〇〇さんこれから立ちますね。二回深呼吸して三回目で吸ってー吐いたと同時に立ってきましょう。立った後も息を止めずにしてください。」
座るときは「〇〇さん座るときは立つときよりも吐くことを忘れやすいので座る時の方を一番気を付けてください。同じように二回深呼吸してから吸ってー吐いたときに同時に座ってきましょう」
座るときの方がエネルギーを使用するため座る方をとくに意識させましょう。そして、非常に忘れやすいです。
動作の終わりということもあり気が抜けやすい部分なのかもしれません。最後まで気を抜かず注意を促していきましょう。
まずは、起座起立から呼吸指導
入浴動作は利用者からもどのように入ればいいか教えてほしいと伺うことが多いです。
理由は、生活場面で一番呼吸が苦しくなりやすいからだと思います。
ただ経験上、いくつもポイントを伝えてもなかなか定着するには時間がかかりその場だけで終わってしまうケースが多いです。
そのため、基本はまず立ち上がりや着座をメインに介入することが習慣化されやすく効果が出やすいと思います。
そして、起座起立後の息切れが少なくなることで活動量も増えADL維持に大きな役割をもたらしてくれます。
- 頭を洗うときはシャンプーハット
- お風呂に入るときは半身浴にする
- 腕はあまりあげないようにする
この点だけは最初に伝えるといいと思います。
呼吸法は、立ち上がりや着座動作が習慣化されてからでもいいと思います。
まとめ
本当は、各動作で呼気のタイミングは指導した方がいいと思います。
しかし、いろいろ伝えても習慣化されるものはごくわずかです。それなら、日々使う立ち上がりや着座動作を徹底的に練習して習慣化させることで動作時の息切れが改善され、それに伴い活動量増加にもつながると考えています。
もし、何を指導したらいいか迷っている方がいたら「立ち上がり、着座動作」この2つだけでも反復して指導してみてはいかがでしょうか?
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円背姿勢が与える影響
円背姿勢が与える影響
理学療法士のキュン(@kyunn23)です。
このように円背姿勢の方を見たことありますよね。
出来る範囲で姿勢を伸ばして顔を上げた状態で座っていてほしいですよね。
では、なぜこの姿勢を直した方がいいか?
- 食事が食べやすくなる
- 楽に座れることが出来る
- 見た目がいい
- なんとなくやったほうがいい
何か理由があって姿勢を直していますよね。
円背姿勢を正しい位置に直すことで【呼吸】【嚥下】機能の低下を予防できることはご存じでしたか?
今回は、円背姿勢が呼吸、咀嚼嚥下になぜ関与しているかお伝えします。
呼吸抑制について
実際、同じように体を丸めて呼吸をしてみてください。
呼吸しづらくないですか?
吸おうと思ってもうまく吸えないので全体的に浅い呼吸になっていませんか?
利用者さんにも同じ現象が起きています。
理由としては、①腹筋群の筋長が短縮し、筋の長さ、張力関係から収縮効率が低下する。これにより、横隔膜を押し上げられない②腹部が胸郭に圧迫されることで横隔膜が内蔵に突き上げられてしまい横隔膜の下降を抑制してしまう。
つまり、腹筋群や横隔膜が円背によって位置関係が崩れることがこれらを引き起こしています。
これが浅い呼吸を作り出しています。
咀嚼嚥下について
円背においては多くの場合、図のように頸椎は前方に倒れています。
そうなると、下顎が後方に引かれると同時に口が閉じにくくなります。そのために下顎の動きが阻害され食べ物を咀嚼しにくくなります。
また、のどぼとけの上の方を触ると突起に触れると思います。これが舌骨と言います。「ゴックン」したときにこれが前に押し出されるのがわかりますか?
しかし、舌骨が胸骨舌骨筋で引っ張られているため前方に動く舌骨の動きを阻害されて嚥下機能にも支障をきたすようになります。
さらに、嚥下の瞬間には「嚥下性無呼吸」といって食べ物が気管に入り込まないように一瞬呼吸が止まります。しかし、円背姿勢の方は前述どおり呼吸が浅くなるため、嚥下の余裕が少なくむせやすくなります。
このように、さまざまな面で咀嚼嚥下、つまり食事摂取に支障をきたします。
呼吸抑制より呼吸補助筋である胸鎖乳突筋が機能しにくい横隔膜の代わりに過剰に働くようになります。結果として頸椎下部を前方に屈曲させ頭部を伸展させるように作用します。つまり、円背姿勢~浅い呼吸~頭部突き出しはお互いがお互いを引き起こしています。
まとめ
円背者の方は、90度座位は困難であってもできるだけ骨盤後傾から円背の少ない状態で座位姿勢を安定するように車いすを調整することが、上記の円背の悪影響をできるだけ小さくすることが出来ます。
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